尚美学園大学での今年最後の授業が終わりました。
コミュニケーションのための授業でもない、即興芝居をしたいわけではない、選択授業でもない。
ましてや先生と言われているこのヒゲのおじさんのことなんて全然知らない。
その中で、始まり、4回で終わる。
毎年のワタリのチャレンジ。
即興を通して
「自分の感覚や思考を知っていく」
「自分ができないことや想定外に出会っていく」
「自分とはまったく感性の違う人との関わりを楽しむ」
ということを経験し、楽しんでもらうにはまず、生徒とワタリの関係が大事。
ワタリが何者で、なにをしていて、皆のことをどうおもっているのか?
「ただのどうでもいいヒゲのおっさん」
なのか
「なんか、自分に関係あることを言っている人」
なのかで、全然吸収率、取り組み方が違ってきます。
基本、先生の話は適当に聞いていても時間が経てば終わる。
が、基本姿勢だったり、まだ大学にも慣れていなくて、友達もグループもでき始めたばかりの中だから、余計に集中力がなかったりします。
その中で、試行錯誤し取り組んでいって5年目。
今年最後になにをワタリは伝えたいかな?
と、また、改めて考えました。
で、今回はもうしっかり話をしてみよう!
と臨んだ今回でした。
別に即興を紹介したいわけではない。
即興芝居を好きになってほしい!がメインではない。
自分の身体や心に耳を傾けたり、自分を大事にしたり、自分をまっとうするためにどう生きるのか?を考えたり。
仲間ととにかく楽しい時間を味わったり。 新しく仲間と出会ったり。
それを体験してほしい。
自分が好きなことを自分が知ってるって、すごいことなんだ。
で、それを知ったり体験するのに即興芝居っていうのはとてつもないツールなんだと。
即興芝居は、自分の考えていることを、感じていることを表現して伝えていく。
また共演者とより良く遊べるために関係をつくっていく。
自分を自由にさせて遊び合っていくことが、できたりできなかったりを経験していく場や関係ってなかなかなかったりする。
誰もあなたの人生をつくってはくれない。
自分が自分の人生をつくっていく。
生まれたところも容姿も出会う人も、自分で選択できない。
それが不満で、なにもかも人や環境もせいにしていくのか?
それはちょうどいい!って言って
自分で楽しめる工夫をするのか?
もし不満があるなら、自分から行動しないとずっとそのまま。
ずっと文句を言い続けることになる。
皆はどんな人生を作りたいかな?
なにも感じず、自分を大事にせず、ただただ周りに流されていく。
こうしたい!ってなっても、失敗することを恐れたり、まわりから変な目で見られるのを恐れたりして飲み込む。
誰かが言ってくれるのを、誰かがやってくれるのをひたすら待つ。
皆が皆、横目で周りを気にしながら、警戒しながら、恐れながら黙っている空間は居心地がいいわけがない。
でもそれに慣れてくると、いろんなことに無関心になっていく。
自分にも無関心になっていく。
そうすると自分が何か好きで、どうしたいのか?が分からなくなる。
そのまま歳をとる。
与えられたことをただただやっていくなら優秀なAIが登場してくる。
また10代でも自分の能力を最大限に発揮して世界に影響を与える人がでてくる。
そんな時代がすぐそこまできている。
だから、いま、仕事で失敗したら何千万も損をするような状況にいないんだから、とにかくチャレンジすること、失敗すること、自分はこれが好きなんだ!って感じて、それを発話すること。
表現したら、それがこの世に現れる。
皆が知ることができる。
頭の中にあるだけだったらそれは誰からも見えないし理解されない。
とにかく言葉で身体で表現していこう。
そしたらそれを心から「いいね!」と言ってくる仲間が出てくる。
その仲間ととにかく遊ぶんだ。
人生という即興芝居をとことん。
それが皆はできるんだ。
最後の授業は、とにかく喋りました。
少しワークもいれて身体をほぐして。
また喋って。
そうすると、いつも以上に真剣な生徒の顔がありました。
嫌いな先生がいて・・と話はじめる生徒があらわれました。
ワタリにたいする質問も出始めました。
最初は
「その髪はどれくらい長いんですか?」
に皆、笑う。
解いて見せてみんな驚く。
少し今までと関わりが変わった。
今まで以上に繋がりを感じた時間でした。
それは今までの3回で積み重ねた時間のおかげかもしれないし、
ワタリがとにかく心から自分が大事と思っていることを知ってほしいと伝えたからかもしれないし。
答えはよく分かりません。
いいライブをした後にそれをやろうとしてもうまくいかないのと同じように。
今日は今日の風がふく。
やるのは、毎回生徒と向き合って、試行錯誤して取り組んでいく。
そうして、1人でも、自分の人生がさらに良いものになったら良いなって願いながら、一生懸命やる。
それしかできないですが、その中で今日みたいなご褒美にも似た時間がでてきたりします。
ワタリの中でもとっても新しい経験でした。
感謝。
ワタリのワークショップ「ワタリーショップ」は都内で定期開催。
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