20190213(水)
知り合いに頼まれて都内の大学生に向けてワークショップをすることに。
都内といっても外れの方にあり、自宅から1時間以上かけて、そこからバスに乗っていく。
少し迷いながらなんとか正しいバスに乗って、会場に向かう。
とある集会所で開催。
対象は大学生。6人ほど。
演劇を通して他者の気持ちを体験していくことが目的。
会場は畳15畳くらいの空間。
入ってみて最初にびっくりしたのは呼んでくれた先生との久しぶりの再会ではなく、ワタリが入ってきているのに微動だにしない男の子がいたこと。
畳に寝そべった状態で携帯を触っている。
と疑う。
そこから「これはなかなかの経験になるかもな」と思う。
先生から自己紹介うける。
ワークを開始する前に話をしようと思った。
「聞きたいことが2つあるんだけど。明後日やる本番にたいして何か不安があるのか?っていうことと、これからやるワークショップについて不安があるのか?ってこと」っていうことで、不安の人~?ってまずは聞く。
数人女子が手を挙げる。
「不安半分ワクワク半分の人ー」1人。
「ワクワクの人~?」誰もいない。
手を上げていない人が男子2人。
「どうなってる?」ときくと
1人は「ワクワクとか不安とかないです。そういう感じで来てなくて、なんかただ来ました」という。この段階でもう他者にたいして興味があるとは思えない。
もうひとりにも聞いてみる。
「いや、とにかくなんだろう?っておもってて、少し緊張感がずっとあって、帰っても良いんですけど、いつも帰ると少し後悔するので、なんかいてみようかなって」
ワタリの最初の印象だとまともに会話もできないかもなって思っていたから、ひとまず話ができるんだと安心した。でもこの安心ってなに?
自分がいまどこにいて何をしているのか?っていうのを知らなすぎる。
ここで怒る、叱ることも選択肢としてもっている。
でもとにかく様子を見てみることにした。
ワークを開始。1つのワーク後に振り返りで「楽しい嬉しい気持ちいいとこは?どこにその瞬間があったか?」と聞くと「なるべく続けるのが良いと想定して続くように連想してみました。突飛なやつだとうまくいきませんでした」と返ってくる。「続けるようにするのが楽しいことだったの?」と聞くと怪訝な顔をする。
他にも「何が楽しいっていうことなのかが分からない」という感想があった。
もちろん中にはとても積極的で楽しんでいる人もいた。
しかし、3分の2が完全に受け身で、楽しいを自分から取りに行かない。そうなるとなかなか場ができあがっていかない。しかし、何度も何度も繰り返していくことで、少しずつ関係をつくっていった。少しずつ柔らかくなっていった。
途中で学生でなく年配の人が参加。明るく開いている人だった。そうするとまた空気が変わっていく。
とにかく3時間くらい休憩も入れながらやっていく。
ワークの最後に一人の男子が「人と関わって色んな経験をするんですけど、しんどいです」という話をしてきた。
その質問が出てようやっと繋がれたような嬉しさがあった。
「しんどい時はやりすぎない」というアドバイスをする。それはとっても響いたようだ。
こういう子をみると、思いっきり怒ったりという強い刺激を与えたりするほうが良いんじゃないか?っていうのも思う。でも今回はそうではなかった。そうしない自分がいた。またこちらが意図して怒っても届かない。
本気で心からでないと響かないし、意味がない。
またはゆっくりと関係を築けるならそれを言うこともできるんだろう。
どこでどうなってこういうことになるんだろう?って思うことがある。
大学は何しているんだろう?
いや、その前の教育機関はなにをしているんだろう?って思うことがある。
でもそんなことに足をとめてもあまり良い時間にならない。
ただ、いま、自分がやれることやりたいことを精一杯に。眼の前の人と心から関わっていく。
ワークが終わってお弁当食べて、呼んでくれた方と途中参加した大人と車で駅まで送ってもらう。
その時に色々話をした。
答えのない中で毎日生徒と向き合っている現場の人を本当に尊敬する。
いろいろ話が出来て良かった。
駅に向かいながらワークをしていた周りにある団地は昔とっても栄えたということを聞く。
時代が変わっていく。人も変わる。同じものは何一つない。
その変化にどう楽しみながら対応していくか。今日の子たちとの出逢いもワタリの中ではそうとう興味深いものだった。
若い子が良いとか悪いとかのレッテルを貼らずに、大人も子供も向き合って理解していく。寄り添っていく。そこに面白さがある。理解しあえないのが基本。難しい。だから面白い。
よほどスリリングでエキサイティングで興味深い。
ただ、それを楽しめる余裕がほしい。そういう世界であるように願いながら、一人一人と出逢って汗かいて頑張る。
人生は素晴らしい。一緒に笑うって素晴らしい。
そんな体験を一瞬でも感じてもらえるように。
あの手この手でやる。
こうやって文字にし辛いことを文章にするのも、知ってほしいっていうことがある。
きっと全部のことは他人事じゃない。
ワークの最後に「今日帰ろうと思ったけど、残って良かった?」と聞いて「はい!良かった!」と言ったあの男の子の生き生きとした眼を宝箱にしまって帰った。
ワタリのワークショップ「ワタリーショップ」は都内で定期開催。
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