高校生にワタリーショップとヒトリワタリ。

依頼を受けて、高校生にワタリーショップをやることになった。

2日間合計10時間のワークショップ。

クラーク記念国際高校のパフォーマンスコースの子たち。

1日目は1年生と2年生40名程度。

2日目の午前中は選抜の10名。

午後からは2年生全員に。

というメンバー割で開催。

初日の感想は以下で呟いた通り。

2日目も刺激的の日となった。

とにかく即興を楽しんでいる。

プレッシャーのかかるワークも果敢にチャレンジする。

楽しんでいるから、深刻にならない。真剣に取り組んでいる。

ゲーム性の強いワークはあまり意味をなさないように思えたので、そうそうに一組ずつの即興芝居にうつる。

1人1人をしっかり見ていく。

その中で、芝居の中で頭でやっている時と、体全体でやっている時の違いや、こなせる範囲でおさめてしまっていることや、勢いだけになって相手を見れてないなどを体感する流れに。

皆、1つ1つのプレーを真剣に見て、涙を流すほど笑い拍手を送り、チャレンジし続けた。

休憩中にワークを見ていた先生が「生徒たちがいつも以上に解放されているのが分かります。その証拠にシーンの内容が暗かったり、死んだりとかが多い(笑)でも皆楽しそう」という話が興味深かった。

ハッピーでなければいけないわけではない。
前に進んでいるのか?進んでいないのか?を知る必要はある。即興は基本自由である。しなきゃいけないことは1つもない。
ハッピーでなきゃいけない。
前に進まなきゃいけない。

この「〜しなきゃいけない」がいけない。

もちろんハッピーであったり前に進むことは大事なのは確か。

でもそれを教科書を読むように理解していても意味はない。

身をもって知っていかないと「そうしないとダメだ!」と頭で考えるようになる。

だから生徒は言われたことを鵜呑みにしないで、そこに疑問をもってあえて逆のことをするのも1つ。

またリードする側は身をもって知っていくために何ができるかを一生懸命考える必要がある。

張り付いたようなハッピーさではなく、暗くてもすぐに「死」が出てきても、自由を感じた彼らは確かに楽しそう。

自分をとにかく表現していた。

その空気の中で、「じゃあ今度はもっと相手を見てみて。もっと相手が受取りやすいように関わってみて」と伝えてやってみる。

そこでようやっと身に沁みていく。

もちろんまだ分かるタイミングじゃない子には分からない。それはそれで良い。

ただ自由で楽しくてめっちゃ面白いの空間の中にいるだけでいい。

ほとんど休憩を取らずあっという間に時間が過ぎ、ワークが終わった。

その時間に1年生が戻ってきて、3年生もぞろぞろとやってきて、先生も集まった。

先生のお願いでワーク終わりに、即興一人芝居「ヒトリワタリ」をやることになっていた。

皆、最後にやるヒトリワタリを見に来てくれた。

午前中に「あ、そうそう今日の最後にライブします」と言うと、悲鳴にも近い歓声があがった。

その嬉しそうな顔にこっちがびっくりした。

こんなに即興が好きなのか?と嬉しくなった。

60人近く集まった稽古場が期待値で包まれる。

「ではやりますか!」

と言うと歓声があがる。

ゲストの先生だから盛り上げないと〜なんて邪心でなく、心から楽しみにしているのが伝わる。

その空気に呼応しながら30分ほどの即興一人芝居ライブ。

これもあっという間に終わった。

最後に感想を何人かの生徒が直接言いに来てくれた。

「即興に対して怖くなっていて・・でも本当に楽しいってことを思い出しました」
「幸せでした」

涙を流しながら伝えてくれた。

気づいたら列ができていた。

最後にワーク中1人だけ、皆の前でやらなかった子が来た。

ライブで怖い思いをしたため、人前でやるのが怖くなったそうだ。

ワークの時も「あ、大丈夫です」と言って参加しなかった。

その時、ワタリは「うん。出たくないのであればでなくて良い」と言ってワークを進めた。

話にきてくれた彼女は、前に出れない自分のことも責めているようにも感じた。

「前に出なくて、本当に良いんだ。本当に無理しなくて良いんだ。前に出ないことで自分を守ってあげたんだよ。良く出なかったね。そこを無理して出たらもっと傷ついてしまっていたよ。今日のワークで楽しくてグループでやる時はやれたんでしょ?それが大事。できなかったことを責めず、今日楽しいと感じたことや、その中で関われたことを大事にしてね。」

ポロポロ涙をこぼす彼女にしっかり握手をした。

15〜17歳の子たちがこれだけの熱量で取り組んでいる。

傷つくのは本気で取り組んでいる証拠。だから目が生き生きとしている。

そして皆、即興が好きということに胸が熱くなった。

それはワタリを呼んでくれた先生がどれだけの愛情と情熱をもって生徒と向き合っているかを物語っている。

先生が本気じゃなければこうはならないよなぁと感じた。

呼んでくれたこと。

彼・彼女たちに出会わせてくれたことに本当に感謝。

また、こんなに嬉しくなるってことは、ワタリも即興が好きなんだなと再確認。なぜか少しこっ恥ずかしい。


ワタリのワークショップ「ワタリーショップ」は都内で定期開催。
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