こんにちは!
即興遊戯者・ワタリです。(@watari_bouya)
ワタリが都内で定期開催している即興(インプロ)ワークショップ「ワタリーショップ」で感じたことを綴るワタリーショップ・ダイアリーズ。第10弾となります。
今回は「目的」について。
目的を知ること。そして目的を達成するべく突き進むチカラ
即興であってもなくても、ストーリーで大事となるのが、登場人物、とくに主人公の目的がなんなのか?です。
この目的が見つけられない。または弱いと物語が動きません。
ハリーポッターがヴォルデモートを倒すことを「まぁ。。やれたらね!明日天気が良かったらやろうか!」くらいの遠足感覚だったり、「いやいや無理でしょう。鼻ないし、、眉毛もないし、無理無理怖い怖い!」っていうどうしようもないビビリだったら、名作にはなりません。学校中の皆から冷たい目で観られる3時間の映画。耐えられません。
目的がハッキリしなくても面白いパターンももちろんありますが、物語の王道として主人公の目的はとっても大事なことと思います。
そしてそれは即興で芝居する時も大事なこととなります。
ただ、これを強く持つことが苦手だったり、達成するチカラが弱い人が多いように思います。
目的が弱くなる様々な理由
即興でやりとりしながら、主人公が決まり、その目的が見つかった。あとはそれに向かって情熱を注ぎ具体的なアクションをしていくのみ!となっても、すぐに目的を見失ったり、小さな障害で諦めたり、なかには自然に消滅という中学生の恋愛みたいな状況になることがあります。
なぜそうなってしまうのか?
- 具体的なアクションをする時に「これで本当に良いのかな?あってるのかな?」と自分自身を検閲してしまい熱が覚める。
- 自分の目的を妨害する登場人物が出てきたら、対立することを恐れてすぐに諦める。
- 目的に向かって進むことはパワーを持つこと。その過程でまわりを巻き込んだり影響を与えたりすることを恐れてしまう。
- 人間関係の輪が、乱れたりはみ出たり壊れたりすることを恐れる。
- 目的に進んでいることが自分勝手な風に思えて、そんな自分が許せない。
そういった内面の様々な理由により、せっかく発見した自分の達成したい目的が、物語の芯が、いとも簡単にあっという間になくなってしまいます。
そしてそれがそのままその人の普段の生き方に反映されているように思います。
普段の生活が即興のシーンにそのまま現れるとも言います。
普段の生き方は?ビジョンを描く。自分の目的に向かう。現実を創造するチカラ
自分で選択して、実現したいビジョンに向かって熱情を注いで生きているのか?
嫌われたり傷つくのを恐れたり、実現できなかった時の自分を見たくなくて、ただただ周囲に流されて自分を押し殺して犠牲になっているのか?
自分の在り方が露わになる即興。フィクションだけど、その生き方が反映されます。
後者で生きていると、目的を達成することだけでなく、見つけることも困難です。
それは目的を見つけたら進まないといけないことを知っているから。それは今の自分の生き方の何倍もの熱量、大きさにならないと達成できないことを知っていて、それは大変なことになるかもしれないと知っているから。見えないふりを決め込みます。
その決め込んでいるエネルギーたるや相当なものなのですけどね。
エネルギーがないわけではないのです。
もともととてつもないチカラを持っているんです。
それをどこに使っているのか?です。
自分を押さえ込み、見えなくさせることに大量にエネルギーを使っているのかもしれません。
また、大きなエネルギーで生きている自分をコントロールすることができるかどうかが不安という恐れが、エネルギーに蓋をしているのでしょう。
その強力なエネルギーを活かす方向に向ければ良いだけなのに、とよく思います。
そもそも即興で演じてる自分の目的、ビジョンがなんなのか?を知ることが大事。とても大事。
ワタリーショップ・ダイアリーズの他の記事でも良く言っていることですが、即興で遊戯する時にまず大事なことは「自分を大事にして、深い部分で繋がる」ということ。その上で、楽しんで、相手と一瞬一瞬やりとりしながら建設的にコミュニケーションをとっていきます。
ただ、それは即興で遊戯するための基本的なこと。土台の部分。
それが「自分を大事にする」が目的になってしまうと、リスクを冒して、人間関係のバランスが崩れるところ、つまりドラマを作るところにいけなくなります。
自立してハッピーで相手に良い時間をプレゼントできる人達が、即興で芝居をして影響を与え合うから面白いやりとりが生まれ、興味深いシーンが展開していきます。
「なんのために即興しているのか?」「即興をすることでどうなりたいのか?」
その問いを自分にし続けることが大事。し続けるというところがポイント。
「自分に優しく相手に優しく関わる」ということが目的であることを知れば、「物語」のことや、「観てる人を楽しませる」ことについて学ぶ必要はないかもしれません。より自分と繋がり、一緒にいる人と良い時間を過ごせるようなトレーニングにフォーカスすることができます。
「即興で遊戯して、観てる人を楽しませたい」ということが目的であることを知れば、自分と繋がり相手と繋がり、目的をもち、達成するために突き進み、共演者はその主人公をより葛藤させるべく障害となり、その障害によって存分に影響を受け、感情のうねりが生まれ、自分のサイズやエネルギーを最大限に発揮しあって、人間関係の輪が、輝いたり乱れたりはみ出たり壊れたりすることの嬉しさや苦しさや辛さを存分に受け取り味わい表現し、その過程や結果丸ごとを楽しみ切ることが必要です。
自分の生き方が反映される即興芝居。
自分のビジョンにあった生き方を選んでいるかどうか?今一度見つめる必要があります。
もし自分の目的にあっていないアクションをとっていることに気づければ。
または、自分の目的があれどまったくそれに繋がるアクションをとっていないことに気づければ。
そこからまた物語がスタートします。
「自分勝手になってしまうのでは?」という恐れが入ってくると、また同じ世界に戻されます。
そしてそれは「自分勝手な自分になりたくない」という目的にすり替わっています。
何度でもビジョンを描き、目的をもって突き進む。その途中で、誰かを傷つけたりすることもあるし、傷つけられたりすることもあるし、迷うし、ブレるかもしれません。でもそれでも達成する。その過程を楽しみ切る。と決めていれば、その時の自分がなんとかしてくれます。
登場人物も変わります。自分の能力やエネルギーを思う存分発揮しあえる関係の仲間が出てきます。
ということは、自分の周りにいる人達が、良くも悪くも自分が思い描いた世界の登場人物なわけです。
その環境が幸せでないなら、立ち止まって見つめてみることが大事なのかもしれません。
そうやって諦めず、自分のビジョンを見続ける。
アクションし続ける。
何度でもやり直して良いと選択肢を与えてあげる。
それを心から理解し実践すれば、即興のシーンも変わってきます。
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