18歳のころ、「俳優塾」という俳優養成所に通った。
兵庫県の川西という片田舎から東京は渋谷から3つ目の「祐天寺」駅という当時のワタリからしたら超都会に俳優養成所「俳優塾」はあった。
そこでの最初の授業がインプロだった。
最初の感想は「え?関西で友達と遊んでるときとほぼ一緒やん!」だった。
関西なのにツッコミの文化じゃなく「相手が振ってきたものに全力で乗る」ということで笑いをとっていたワタリにとって「相手の提案してきたことに乗る」というインプロは遊びでしかなく、しかも馴染みがあってただただ楽しく面白かった。
思いっきり自分を表現する楽しさと、相手からくる想定外の色々をどう受け止めるのか?がとにかく興味深かった。
何がくるか分からないスリリングな状況の中、相手の演技を受け止めて次に活かせたときはとても気持ちが良い。そして受け止められなかったときはとてつもなく悔しい。
人間心理や自分の器の大きさも良くわかるインプロの奥深さにもハマっていった。
またワークショップだけでなく1年後に初めてインプロLIVEに出演した。
4人1組のチームを作りバトルする「シアタースポーツ」というスタイルのLIVEだった。そこでワタリが参加しているチームが優勝することになるのだけど、結果も嬉しいけど、何より共演者との信頼関係が築けたことが喜びだった。
先が分からない中で、ともに即興でシーンを創り上げることは、自分を守っていてはできない。
オープンでいること。
仲間が困っていたらアイディアがなくてもステージに飛び込むこと。
そしてそれをまた相手が受け止めて次の一手を出して結果、誰も想像つかない展開になっていく。
それを観ているお客さんも楽しんでいることに興奮した。
技術もなにもない。勇気ひとつだけ。
たった1つだけだけど大きな武器だ。
自分を守っていない人が、ときに自然にそこにいて、ときに子どもみたいに無邪気になって、ときに仲間を助けるために飛び込んでって、そういう姿を体現できたときってものすごく嬉しいし、そういうLIVEが観れたときって心が温かくなる。
そんなインプロに最初に出逢えたからこそ、いまもこうやって探究しているんだと思う。
ふと、思い出したので書いてみた。
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