台本なし、セットなし、完全に1人で即興芝居をする。
それを続けて11年経ちました。
過去にいろんなことを人や環境のせいにして嘆いていたワタリが、インプロや1人即興することで「それは自分の責任だ」「私の課題だ」と受け止められるようになったお話をしようと思います。
1人即興は究極の自責システム
当たり前のことだけど、たった1人だから結果は全部自分のせいになります。
これが究極の自責システム。
簡単に言うと、
「人のせいにできないからね!全部、自分!」ってこと。
この「人のせいにできない。自分が選んだ結果であり、すべて自分が招いたこと」っていう考え方や姿勢がインプロをやる身にとってはとっても良いんですね。
人のせいにすることがどれだけ毒か
人や環境や状況のせいにするのはめっちゃ簡単なんです。楽ちん。
「共演者のアイディアが良くなかった」
「共演者に本番前に言われた言葉でテンションがさがった」
「雨が降っていたから」
「お客さんが少なかったから」
「衣装が良くなかったから」
もうすべて人のせい。
自分はちゃんとやろうとしていた、と全力で自分の正当性を語り、身を守る。
それは
「できない自分を見たくない」という臆病な自分だったり、
「できない自分を晒してしまったらメンバーから外される」という外からの恐怖からかもしれません。
でも、それだと1ミリも成長できない。
プレイヤーとしても人間としても。
そして、成長うんぬんを置いたとしても
自分の人生を生きることができない。
人のせいにした瞬間に、その人に自分の人生を渡してしまっている。
だってその人のせいで自分が思うようにできなかったし、その人がなんとかしてくれないと自分の思うようにできないって言っているわけだから。
自分を生かすも殺すもその人次第ってことになる=自分の人生を生きられない。
そんなワタリも小さいころは本当にネガティブでした。
見た目も性格も起きる出来事も全部嫌で、全部まわりのせいにしていました。
そんな時にオカンのひっくり返し打法によって、ポジティブに転換するんですが、それはまた別のお話。
気になる人はこちらの記事を読んでね。

で、インプロの良いのは「他責」が通用しない世界ってことなんです。
即興的に相手と掛け合いをする。
当然、相手と自分は考え方も発想も違う。
だから「相手が自分の思うようにはならない」っていうのが基本。
なのに「相手のせいにする」ってもうめっちゃくちゃおかしいことを言ってるわけです。
「こうしてほしかった」「ああしてほしかった」
そんな期待や求めあいはナンセンスな世界。
そうすると「相手の好きなアイディアを出さないと・・」と共演者はとたんに不自由になります。
お互い感性が違うから理解できないことや齟齬が起きちゃうかもしれない。それでも関わり合う!
そんな中で起きる奇跡は絶対に起きなくなります。
起きるのは迎合や忖度、お伺いを立てることの連続。
たまにこの「求めあい」や「期待」をもとに振り返りをするチームがありますが、それが起き出すとチームは解散に向かいます(爆)
「期待に応えなきゃ、相手が求めている自分でいなきゃ!」と他者承認の奴隷になっちゃうからです。
この、人のせいにしたり、期待してそれから外れたら「こうしてほしい」と言い合う世界はわりと日常の人間関係にもあります。
それができるようにルールを決めて、それに沿うように自分を律する。
どんどん不自由になるし、どんどん自分の人生を生きられなくなる。
それどころか、自分が何を感じているのか?も分からなくなる。
感じてしまうと、また面倒が起きる。
「めんどくさい」ってなってしまう。
自責のススメ
そういう世界でなく「全部自分が招いたことだ」という姿勢で臨む。
そうすると、じゃあ自分は何ができたのか?と自分ゴトとして考えることができるようになります。
相手のアイディアが悪いんじゃなくて、そのアイディアを上手く受け取れなかった自分が悪い。
じゃあどうやって受け取ればもっと良い即興ができるのか?を考えることができる。
こうなると感謝しかなくなります。
自分を成長させてくれるきっかけをくれたわけだから。
1人の即興はより他責が通用しない。
だって1人しかいないから!
過程も結果も全部「そのとき自分はなにをしたか?」だし、終わったあとは「他に自分になにができたか?」の世界。
もちろん簡単なことではないです。
できたら人のせいにしたい!って思うような結果もあります。
うわーーー!やだーーーー!って涙する夜もたくさんありますw
でも自分なんです。
それを繰り返していくことで、
「観念すること」「手放すこと」「勇気をもって決断し進むこと」を体得することができます。
人のせいにしないで、自分の人生を自分で生きることができる。
そんな考え方だったり、世界を表現する即興一人芝居LIVE「ヒトリワタリ」。
人生の凝縮みたいなものを見ることができます。
また1人即興をすることで、自分自身を信頼してまるっと任せることができるようになるから、人にも空間にも自分を明け渡すことができるようになる。
自分を守ることや成り立たせることにエネルギーを使わずに、両手を開いて受け入れることができる。
1人で即興をすることは良いインプロバイザーになるための要素が詰まっている。
1人即興のワークショップもありやなぁと考えてます。
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