今年の別府旅の日記的メモ。
この日、午前中はZoom仕事。
バサラ(ワタリが泊まっている宿)のWi-FiでZoomができることが判明。
そのZoomの前にヒロシから電話。
フットマイクを買った話。
「今度の学校公演でもしかしたらフットマイクを試せるかもしれない。時間があったら学校に行って確認できるかな?」と言う。
ひとまず別府西中の先生に電話。時間をすり合わせていけることになった。
いきなりの申し出なのにすぐに対応してくれるのすごい。
急遽西中へ。
体育館にて動画や写真を撮る。
別府駅に送ってもらい、いったん宿で整えつつ、「HAJIMARI別府」にいく。
今回の旅を企画している段階で思っていたことがある。
「来年はただ来るんじゃなくて、ワークショップやライブの活動をやろう。人数が少ないかもしれないけど、そうやって即興体験を提供して面白がってくれる人とつながろう」ということ。
だから、そういうことができる場所も同時に探していた。
そんな中で出てきたのが「HAJIMARI別府」だった。
まずは行ってみよう。お茶もできるらしいから、そこでゆっくりしてみよう。
そんな気持ちで向かっていたら、道の前方にインパクトのある後ろ姿。
東京デスティニーランドさんが歩いていた。
去年出逢って嬉しかった人。
去年も偶然出逢う率がとんでもなかった。今年もで嬉しい。
声をかけたい。
しかし、歩くスピードが尋常じゃなく速い。
「あれ?無理かも・・」って思ったが、ここで会わなかったら今回の旅で会わないかもしれない、となんとなく予感がしたから頑張った。
「東京さーん!」
振り向き、2秒くらいでワタリを認識してくれた。
「HAJIMARI別府に行く」というと道案内してくれた。
「あれ?ここだったかな?もしかしたら一本ズレたかも」
「ありがとう!大丈夫」と東京さんと別れる。
確かに一本ズレていた。でも、そこでついたのは「渡邉富商店」だった。
ここは知り合いの知り合いがいる。
今回も「もしまだ別府にいるなら逢いに行って!」と東京の仲間が教えてしくれた。
だから今回の旅で時間があったら行ってみたいな〜と思っていたお店が突如現れたからビックリした。
これは入るしかない。と、お店に。
お腹も空いたから、カレーを注文。
堪能したあと、ツチヤナナミさんともう1人のお店の人に声をかける。
「熊谷拓明と〜原田茶飯事と〜あと梅里アーツの知り合いで〜」と名前を言うと驚いていた。
そしてチラシを置いてくれたり、チラシを置かせてくれそうなところを教えてくれたり、たくさんアドバイスを頂いた。なんていい人たちなんだ。
となりのスペースにもチラシを置けた。
さて、腹ごしらえができて、「HAJIMARI別府」に。
2022年から繋がっているあかりちゃんもいた。
お店の宿主人(妻)であり陶芸家でもある坂本和歌子にも出逢えた。
そのHAJIMARI別府で鳥居さんとお茶をすることに。
お時間がない中でたくさんの意見交換。
そしてアドバイス。今年も本当にお世話になりました。
鳥居さんとお別れをして、いったん宿へ。
時間は夕方を過ぎて夜になろうとしていた。
一呼吸して、時間がきたから公園へ。
この日、近くの公園で「中崎透さん」が主催しているアートイベントのオープニングセレモニーがあるとのこと。
ここにいろんな人が集まるという話も聞いていた。
とにかくどうなるかわからないけど行くしかない。
そんな気持ちで公園に向かう。
そしたら速攻でアベリアさんに逢えた。伊達さんとも。
また権藤さんとやライスボールさんとも。
中崎透さんのオープニングセレモニーがはじまって、すぐにカラオケ大会がはじまった。
権藤さんがワタリのところに来て、ワタリの手を引く。
なすがまま連れられていったのがカラオケの受付。
「はい、ここで名前書いて。宣伝し!」と権藤さん。
即興やって27年。
なのに?だから?
ワタリはここでものすごく分かりやすく逃げました。
いまやったらヤラれる!
そんな気持ちで身体がいっぱいになったのです。
即興で歌ったりもするくせに、こういう場でのパフォーマンスがとにかく苦手で、どう存在したら良いか?わからなくなるんです。
チキン?そう。そのとおり。そもそもものすごいチキンハートなので、この時、ここ数年で一番のチキン風が吹いたのでした。
サッと踵を返し、受付から離れる。
どうしよう。逃げてる・・めっちゃくちゃに逃げてる!
そんな自分に苦笑しつつ、しばらく歌う人たちの様子をみる。
でも・・絶対にやったほうが良い。
やらないよりやったほうが良い。間違いない。
もちろんやったからといってなんにもならないかもしれない。
でもやらなかったら最初から0。0なんだよ。
だからどんなに下手だろうが、歌って損することなんかないんだよ。
でも何を歌えば良いんだ??何を・・なに・・・?
って考えつつ、昔同棲していた彼女に別れ際にいったカラオケで歌った大事MANブラザーズバンドの「それが大事」を選んでいた。
なんでそんな記憶が?だからといってこの歌を歌う理由もわからない。
いま思うと、「投げ出さない!」っていう気持ちなら今が一番歌えるような気もしたんやね。
意を決して。再び受付に。
時間がきて、アベリアさんにスマホを渡して「動画を撮ってください」と託しいざ、ステージへ。
ステージに行ってわかったけど、返しがないから、ステージ上はものすごい音が小さい、え?みんなこれで歌ってたの?聞こえなくない?となってより焦る。
イントロが流れ、必死に宣伝をし、自分がうまくは歌えていないっていう実感だけはしっかり感じつつ、歌いきった。
とにかく、誰かに届け、と。
ステージをあとにしたその刹那。
「わたりさーん!」という声がステージから聞こえた。
今回の主役の中崎透さんが立っていた。
「ロクディムのワタリさんですよね!?僕です。震災後、水戸のキワマリ荘で朝まで即興芝居してくださってありがとうございました!」
と声をかけてくれて一気に記憶が蘇った。
ロクディムが2011年。
ずっと渋谷のクロコダイルでLIVEをしていたけど、ホームを出て日本中でやろう!と企画を立てた矢先に東日本大震災。
共同主宰のカタヨセが福島の人っていうのもあって東北でやろうという話になって、その中で最初にやったツアーが、中崎透さんのアートスペースでのライブだった。
それ以来だったし、そもそも水戸での出逢いだったから、まったく名前と顔が一致していなかった。
時を超えて、また出逢えた。
鳥肌が立った。きっと中崎透さんとワタリ以外は全く共感のできない状況だったと思う。
勇気を出して歌ったあとなのもあり、涙が出そうになった。
そして、歌って良かった。歌わなかったらここで再会できてなかった。
えらいぞ。とにかくえらいぞ、ワタリ。と、自分でとにかく褒める。
カラオケ大会はその後も盛り上がっていく。
権藤さんがマツケンサンバで大盛り上げ。もう完全にスター。
イベントが終わったあと、権藤さんが「チケット売れちょんか?」と聞いてきた。
いや、正直ダメです、と報告。
「頑張りが足りんのんじゃ?」という権藤さんにアベリアさんが「権藤さんが足りないんじゃない〜」と突っ込む。
しばらく考えた顔の権藤さんが「よっしゃ、じゃあ今から歩こう。誰かに逢うやろ」と言った。
急遽、中崎透さんが別府の至る所に手掛けたアート作品を見つつ、夜のまちを徘徊することに。
権藤さん、アベリアさん、ワタリだけでなく、去年の「ロクディムにわか」も手伝ってくれたアッキーさんもいたり、また今日みんなと初めてあった人たちも連れての練り歩き。どんな一座や?状態。
しかし、権藤さんもアベリアさんもすごいのは、歩いていたら本当にいろんな人に声をかけられるし、声をかける。
全然進まない。
チラシを渡せたり、渡せなかったりしつつ、一緒に歩く。
途中でアナウンサーの方たちとも合流し、一緒にご飯を食べたり、悩み相談を聞いたり、角打ちでソフトドリンクを飲んだり。
新しいスタイルの青春みたいな時間を過ごす。
最後のほうで中崎透さんたちが打ち上げしているお店「わりかん」にアベリアさんが突入する。
もうとんでもない盛り上がり。
中崎透さんがワタリを見て「あ!ロクディムの!ワタリさん!おい!みんな!ロクディムさんだぞ!即興でどんなボケも面白く返してくれるんだぞ!」と叫んだ。
その瞬間、本日2回目のダッシュで逃げるを敢行した。
人生で1日に2回も分かりやすく逃げるなんてことがあるんだなと思った。
先を歩く権藤さんに追いつこうとしたら、後ろからものすごいスピードでアベリアさんが走ってきて、ワタリを追い抜かそうとするから、ワタリもダッシュする。
新しいスタイルの青春。これが別府旅。
最初の公園に戻って、アベリアさんは自転車にのって夜の街に消えていった。権藤さんとアッキーさんは車で去った。
怒涛の一日。
しずかになった公園にはまださっきの熱が少し残っている気がした。
この日、少しだけ動画を撮っていたものをまとめたのが以下です!
コメント