自転車に乗らなければ乗れるようにはならない。
乗ってコケて、また乗って、そしてコケて。でも乗って。
その繰り返しで、バランスを取ることを学び、ハンドルの操作もわかってくる。
で、いつからか考えずに乗れるようになる。
乗れる自分を知っている。
これ、大事なのは乗ってる中で学ばないと、乗れるようにはならない。
乗ってコケて、痛い!ってなって、乗るのをやめて自転車を前にして考える。
また部屋にはいってPCでググって「自転車の乗り方」を調べる。
それ、乗れる?乗れないよ!サッサとお乗り!
っていう自転車だとものすごくわかりやすいヘンテコリンなことが、表現やコミュニケーションになるとめっちゃくちゃ出てくるんです。
「うまく喋れなくて・・」「即興が苦手で・・」「とっさに動けなくて・・」
これ自転車で置き換えてほしい。
「自転車乗れなくて・・」「自転車苦手で・・」「左折ができなくて・・」
どうですか?そんなこと言ってくる人がいたらあなたはなんていいますか?
乗りな!乗りたければ!以上!
で、済む話なんです。
でもそうはならないのにはいろんな要因があると考えます。
まず練習する場がない。自転車みたいにコケる場がない。学校にもない。
昔は外で思いっきり遊んで、喧嘩して、大人も知らない子に叱ったりして、その中で学んでいたんだと思います。
(※ワタリが小さいころもギリギリあった)
でもいまは、スマホゲームに夢中になり、大人か話しかけたら怪しまれ通報される。
学校の先生もタスクが多すぎる。詰め込み式の古い教育がいまだにあって、かつ、先生は生徒に叱ることもできず、親のクレームに対応しつつ精神が削られていく。
ひとりひとりと繋がっていくのは至難の業だし、答えのないことにじっくりと向き合う時間なんて皆無。
そんな中で子どもたちはコミュニケーションでコケることの練習ができない状態になっているし、大人もコケるわけにはいかない状況で毎日を生きている。
だから、コケたら痛みのほうにフォーカスしてしまう。
2〜3回コケたら「自分には向いてない」「陽キャにはなれない」「苦手」というレッテルを貼ってしまう。
そしてわざわざしんどいコミュニケーションに向き合わなくてもスマホを見たらたくさんの情報が流れてくるし、楽しいゲームまである。
そしたら逃げるよね。手元に逃げ道があるんだもの。
でも、結局人と人とはコミュニケーション取っていくものだから、ずっと不安で、ずっと苦手で、なんとかしたいって思いながら逃げられて、歳を取れば取るほどに「いまさら・・」ってなっていく。
壊れて当然だって思います。壊れてるなって人がたくさんいます。
そんな世界だから、「どうしたら乗れるようになりますか?」「苦手なんです」という質問がくるんだなって思います。
答えはひとつ「乗りな!」です。
でもそういう場がない。コケられない。
コケたらすぐに炎上する。
後ろでサポートしてくれる人がいない。
だからワークショップをやっています。
ここはコミュニケーションでコケて良い場です。
親がうしろで支えてくれた役割をワタリがやっています。
コーチとはそういうものです。
ここで大事なのはコーチは答えじゃない、です。(※答えは「乗りな!」です)
答えじゃないのに、答えをもってる人、自分をなんとかしてくれる人として見る人が多いです。
それは
スマホを見れば色んな「うまくやれる方法」が出てくることや、
学校でも先生が答えをもってて、それをうまく当てたり、聞いたりする。
その弊害かもしれません。
「こんなふうに思ってしまうんですけど、良いのでしょうか?」
「こんなんじゃダメですよね?」
「どうやったらもっと上手になれますか?」
そんな質問がきます。
自転車に置き換えてください。
「自転車に乗ろうとしてるんですけど、どうしても乗ってる自分が焦ってるなって感じて・・こう思うのって良いんですかね?」
「自転車に乗れなくて、自分を責めてしまって・・・ダメですよね?」
「どうやったら自転車上手に乗れますか?」
答えは(せーの)
乗りな!
なんです。本当は。
でも「え?乗りな・・だけ?」ってなったり、永遠に自転車に乗らずに考え込んで、その考えが下手で、自分を傷つけている人が多いのです。
これは自転車に乗る前の段階。カウンセリングの段階。
傷ついたことからの恐怖心を取り除くこと。
自転車って乗れたらめっちゃ楽しいよね。フラフラするけど、そうやってチャレンジしてること自体がめっちゃ楽しいよね!ってことを思い出すこと。
または、自分が考えていることが、永遠に自転車に乗れない暇つぶしみたいな状態になっていること。
これを気づいていくのもワタリのワークショップの特徴です。
それに心から気づいた人が
自転車に乗ってコケながら学ぶ段階になります。
で、乗ってコケて、また乗って、そしてコケて。でも乗って。
やっていくうちに
考えずに乗れるようになります。
自転車に乗れる人は、乗るたびに「乗れるかな?」って不安になりません。
乗れる自分を知ってるんです。
そのレベルになったとき始めて表現になっていきます。
段階があるんです。
あと大事なのは目的。
ここからちょっと車で例えます。(※そのほうがわかりやすいから)
あなたはどんな目的で車に乗りますか?
「乗るのが楽しい」→乗りな!
「目的地にはやく行きたい!」→スピード出しな!(法定速度は守ってね)
「乗ってる時間を楽しみたい!」→車の内装にこだわりな!
「一緒に乗ってる人の居心地を良くしたい」→運転技術を学びな!
そういうふうに自分がこの乗りものを使って何がしたいの?ってことは選べるんです。
で、そうなったときにコーチという存在がいい感じで必要になってきます。(※「楽しい」はコーチはいりません)
コーチはあなたが行きたいところへ連れていくのが役割。
目的が明確であればあるほど、指導や練習メニューも具体的になってきます。
で、一緒にどこまでも行けるわけです。
目的がいまいちハッキリしてない人は最初のフェーズに戻ります。
そしてこれも、乗らないと、やってみないと、わからないんです。
動いてみて。自転車なり車に乗ってみて動かす。だから、今の自分の段階がわかるんです。
止まって考えて暇つぶししていたら実はなんにもわかってないんです。
わかってないどころか、基本ヤメる方向に動きます。
動いてみて、シンプルに楽しい!いいね!
人に喜ばれた!そしたらそれを磨いたら良いね!
本当はシンプルなんです。
自分がひまつぶし的考えをしてるのか?
実感をもとに思考をめぐらせて「次はこうやってみよう」と創意工夫をしているのか?
どんな自分なのか?わかるためには(ラストだよ〜!せーの!)
乗りな!(アリーナー!)
です。ワタリのワークショップは世田谷で毎月8〜12回ほどやってます。
ぜひコケに来てほしいです。楽しいから!
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