先日開催したワークショップ生によるライブ『サイドショー』。
これがね、実は毎回、ドラマがあるんです。
びっくりするくらい面白かったり、心が震える瞬間がたくさんあるんです。
特に今回はワタリにとっても気づきの多いライブとなったので、語りたいと思います!
ちなみに、その日にショーが終わってからポストしたのはこちら
サイドショーは「ほぼ初対面ライブ」?その特殊性と面白さ
サイドショーは実はとっても特殊なんです。
よくあるインプロライブって気の合うメンバーで編成された「チーム」だったり、今まで継続的にワークショップをやってきた「仲間」で開催することが多いと思うんですね。
その中でサイドショーは「ほぼ初対面」の人たちでライブする可能性だ高いんです。
その理由としては
参加条件が「一度でもワタリのワークショップに参加したことがある人」。
そして今ワタリが提供しているワークショップがどれも「単発参加OK」ということから
ワタリとはつながりが間違いなくあるんだけど、横のつながりがまったくないパターンが起きるんですね。
ゆえに「ワークショップで一度も顔を合わせたことがない人とライブをする」ということが起きる。
(※今回はエントリーした5人が「ほぼほぼはじめまして」ということが起きましたw)
難易度が高い。だからこそ起きる奇跡。
一緒に稽古して、そのメンバーでライブをする。
メンバーの個性もわかってる。(※良いも悪いも)
だからこその安心感もあるだろうし、信頼感もあるだろう。
それも間違いなく良い。ワタリがロクディムやマツリでやっているのもそういうチームで開催している。
でもそうじゃないからこそできる体験ってのがある。
それは
それぞれが自分の目的をしっかり持って参加してるってこと。
「誰か」や「ショーのプログラム」に依存しているわけでもない。
言い訳できない。システムが助けてくれるわけじゃない。
ひとりで、自分で決めて、エントリーしてる。
自立してる人たちが参加する。
だから、誰かに頼らず全部自責として捉える姿勢ができている。
それはとても健康的だなぁと思ったし、
そんな人達がやるからこそ、奇跡が起きる可能性がある。
ワタリが今回見た奇跡
「わぁ・・・はじめましてばっかりだ・・良いですね」
会場にはいってくるなり思わず言葉を漏らしたのはサイドショー2回目の参加のBさん。
追い詰められることは承知のうえ。それを楽しもう。そんな姿勢がみえた。
出逢って自己紹介して、軽くウォーミングアップする。
そしたらもう開場。
開場直前にワタリがみんなに伝えたのは
「はじめましてだから、当然ながら共演者が何を考えているのかも、何が好きなのか?もわからないよね。分かり合えないことが基本。当たり前。だからこそ、自分の思ったこと、感じていることをより伝えてほしい。伝えきることをチャレンジしてみてね」
「うまくいかないことは当然ながらあるよ。それを隠さずに出していこう。何回でもやり直して良い。その姿勢を見てもらおう」
「即興劇をはじめる前、設定を決めるとき『やることないです〜』よりも『これがしたい』って自分のやりたいことを出してみて。悩みでも良いよ。自分が思っていることを出してみて」
「ワタリもMCやサイドコーチとして入るから、困ったらいつでも言ってほしい」
そんなことだった。
そんなことは言葉では理解できることだろう。
でも実際に行動するとなるとなかなか難しい。
ましてやみんな初対面。
緊張すると自分を守るように動く。
だから、ワタリがいったことはとても難しいことだと分かっている。
なのに
本番時、みんながしっかりと自己開示をして関わってる姿が見れました。
「ホラーが苦手で・・・だからこそやってみたくて」
「フィクションのお話を書くことがあるんですけど、死後の世界っていうのをやってみたくて」
自分のパーソナリティも語りつつ、「やりたい」という文脈で話していく人が多かった。
台本のない中で、自分をオープンにして、お客さんの前で語り、共演者を鼓舞するように関わるという姿勢が見れました。
それだけでなく2人で即興芝居をしている中で、1人がステージからハケる場面もありました。
これハケる人も残り人も勇気が必要で、
ハケた人はもう自分ではステージをコントロールできないことになります。
相手を信頼していないとなかなかできないプレイです。
またステージに残された1人にみんなの視線が集まります。
そこで何を言うのか?待ったなしのリスクある状況になります。
なのにも関わらず、
勇気をもって堂々と自分の言葉を良い、シーンを終わらせました。
考え方もキャリアも感じ方も年齢もまったく違う5人が、
お互いが自由になっていけるように関わっていく。
ステージの上でどんどん互いを信頼していく過程が見れて、だからこそ嬉しくなるような瞬間がたくさん生まれました。
そしてこれこそが、サイドショーならではの”奇跡”なのだと、改めて感じました。
もう一つの奇跡
ただでさえリスクのあるチャレンジングなステージにも関わらず、
ワタリはこの時ほとんど声ができない状態でした。
それが良かったのかもしれません。(※勝手なる前向きさ)
ワタリさんがこんなんだし!なんとか自分たちで楽しい空間をつくろう!って一致団結したのかもしれません。
お客さんも「楽しかった〜」という感想がきけた素敵なライブになりました。
《遊ぶように生きる》ヒントがここにある
サイドショーを経て、この「自立した個」が集い、自分勝手でなく「自由に関わり合う」姿こそが、インプロの精神であり、最近ワタリの中で言語化できたスローガン《遊ぶように生きる》ことの体現だなぁと思いました。
「関係ができてないから」「まだ仲良くなるのは時間がかかるから」
そんな理由もなしに(もちろん時間をかけて人間関係を構築していくのも大事だけどね)失敗を恐れず、今この瞬間に関わり合うことは尊いし奇跡のようだなぁと感じました。
なにより、サイドショーをちゃんとしたライブにしてくれたのは観に来てくれたお客さんです。
本当にありがとうございます。
さて今後もサイドショーは続きます。
あなたも、この初対面の化学反応が生み出す”奇跡”を、ステージで体験してみませんか?
サイドショーへのエントリー、お待ちしています!
これとは別で、メンバー固定でみっちりやるインプロワークショップ&ライブっていうのも企画しようかな〜と思った次第。
兎にも角にも、今回勇気をもってエントリーをしてくれた皆!本当にありがとうございました!
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