20190104(金)
※映画の内容についても触れていますので、ネタバレ的なことが嫌な方はスルーもしくは映画を見てから読んでいただけると嬉しいです。
「キャプテン・ファンタスティック」邦題は「始まりへの旅」を鑑賞。
第69回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門の監督賞を受賞。
大自然の中で暮らす家族の話。
その育て方にとっても共感を覚えつつ、息子の「本で学んだこと以外は何も知らないんだ!」という言葉にハッとする。
もちろん狩りなんかも教えているし、1人で生きていく方法。自分で考えることも教えているから、ただ本で知識を詰め込んでいるというわけでないのだけど、ここで彼が言っているのは、人との関わりの経験値。それが圧倒的に足りないし、彼が渇望していることなんだと思った。
主演のウィゴ・モーテンセンも子供たちも良い。
ウィゴ演ずるベンの妹夫婦の家で、ベンの教育が間違っていると言う妹のシーン。ベンは妹の13歳と高校生の息子を呼び出し「権利章典(ビル・オブ・ライツ)とは何だ?」と質問する。全然答えられないに子供。しかしベンの8歳の子供はスラスラとその話ができる。しかも自分の言葉で。
その場面を見て、ワタリはあの妹の息子たちと同じなのかもしれないと思った。
今の日本で40歳になる男の常識のなさというものも考えた。
視点を広くもち、自分が生きている環境を色んな視点で見て、誰かと語らって自分の考えを熟成させる。そういうこともどんどんやっていきたいなと改めて思った。
今は、学んだり体験したことをブログやSNSで発信していける。
そこに興味があったりアンテナがある人とやり取りすることができる。
でもなかなかそういうことは発信できなかったりする。ワタリの場合かもしれないけど。
少し勇気が必要な時がある。
「知識があるかどうか?」とか、「そんなのも知らないのか?」とかさもすると攻撃ともとれる関わり方をしてくる殿様たちがいらっしゃるからだ。それも昔の話だから、正確にはそういうイメージがとってもあるということだ。
そんなしょうもないことを言われることに恐れずに、「興味がある」ということを大事にして、その興味を大事に育てることができるような環境だったりコミュニティだったり環境が大事だよなぁと思う。まずは自分の心の中でそういう「興味もったの?素敵じゃない!」っていうコミュニティを作ろうと思う。
映画の話にもどる。
ラストシーン。折衷案のような生活。あの長回しがとっても良かった。
今の教育にたいしてかなり疑問を投げかけるような映画。
バランスってとっても大事。
星空の下で寝るという経験とベッドで寝るという経験。
選んで生きていく。それができる時代だし、それを経験していけるのが素敵。
なんでも包み隠さず話す。妹夫婦は隠す。
でも家族の方針であって、なにが良いとか悪いとかではない。
ベンも「方針を踏みにじってすまなかった」と謝る。そのシーンも印象的だった。
また長男も一流大学に行くために家族のもとを去る場面もあった。
なんでも自分の外の世界を旅する時って勇気が必要。それが楽しかったりするよね。
「人間は言葉より行動で決まる」
良い言葉がたくさん。
またこの家族が影響をうけているノーム・チョムスキー氏への興味が半端ないのであった。
ワタリのワークショップ「ワタリーショップ」は都内で定期開催。
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