怒りや憎しみは自分を奮い立たせる起爆剤に。あとは愛を持って動けるか?愛を持って語り合えるか?
監督
三上智恵(みかみちえ)
撮影監督
平田守(ひらたまもる)
プロデューサー
橋本佳子(はしもとよしこ)
2016年6月19日、沖縄県那覇市。米軍属女性暴行殺人事件の被害者を追悼する県民大会で、稲嶺進名護市長は言った。「我々は、また命を救う“風かたか”になれなかった」。「風(かじ)かたか」とは風よけ、防波堤のこと。
沖縄県民の8割の反対を黙殺した辺野古の新基地建設、全国から1000人の機動隊を投入して高江で強行されるオスプレイのヘリパッド建設。現場では多くの負傷者・逮捕者を出しながら、激しい抵抗が続く。さらに宮古島、石垣島でミサイル基地建設と自衛隊配備が進行していた。
ネタバレあり(ネタバレ云々言うような映画ではないと思うけどね)
使命感がなければ撮れない画ばかり
アナウンサーを退職し、フリーランスの映像作家になって「沖縄と戦争」をテーマにした
ジャーナリズム活動をしている三上監督。
三上監督の映画は初鑑賞。
「戦死者を出さないための映画」と明言しているとおり、沖縄の悲しい歴史が今も続いているというだけでなく、これは「これからの日本の話」と受け止められる映画でした。
「知ってしまったら見て見ぬふりはできない」と本編でも語られているように、知ったら戻れない強さがこの映画にはありました。
賛成?反対?など声をあげることの大事さも。今、あげないと、今動き出さないと、大変なことになる。
そんな環境にいる人が、いま、この瞬間にもいる。
だから、それを知った人間が今何ができるか?を自分なりに考えていく。
今まで何となくしか知らなかったし、今も、何もやっていない。なんてところにフォーカスしてもまったく意味がない。
まず、思いを馳せる。そして考えてみる。それだけでも大きい。
こうやって考えるきっかけをくれた映画に感謝です。
忘れられないシーン。それは人と人が向かい合う濃密な空間。
若い機動隊員が、座り込み排除に抗議する若い女性に正面から見据えられ、思わず目をそらしてしまうシーン。
この彼女の目。相手を射抜くとはこのこと。影響受けないわけがない。
画面いっぱいにエネルギーが溢れている。
ワタリのワークでも同じように相手と向き合うものがあります。
人と対峙する。正面から向き合う。
それは自分と向き合うことになる。
生き方や覚悟が透けてみえる。
全力で相手と向き合うというのはこのことかと。
丸ごとそこにいて、一瞬もハズレない。
観終わって
とてつもなく重い気持ちで劇場を出た。
頭の中がごちゃごちゃとした。
沖縄のことをもっと勉強したくなったし、自分のルーツである奄美大島にも深く関わっている問題。
日本のことを嫌いになったり、その中で熱情もって生きてる人たちがいることに感動したり、機動隊側のドキュメンタリーも観たいと思った。
また、戦争や原爆の体験者の、圧倒的な強い言葉や存在が、
「戦争は酷い。本当に酷い。こんなことやあんなことがあって、いまも苦しんでいる」
だけで終わらず
「だからこそ平和は尊いんだよ。奇跡なんだよ。そしてそれは自分たちで創っていけるんだよ。生きることは人生は人間は本当に素晴らしいんだよ」
というビジョンを描くことが、とてつもなく大事なのではないか。と感じた。
ビジョンは現実になるように働きかける。
「賛成」「反対」の世界の中で、結果、未来の子供たちが戦争をしている姿を描かないように。
未来の子供や地球が笑顔で幸せなビジョンを描けるように活動していく。語りかける。語り続ける。
それは本当に大事なことだ。と、思った。
ポレポレの階段をあがったところにある喫茶店に入った。
喫茶店はとてつもなく癒やされる空間だった。ようやく息ができた。
そのお店にはステージがあった。
店員さんに聞くとイベントやら落語をやっているそう。
ここで、即興やると良いかもしれない。
自分に何ができるか?と考えて行動する。
意識を広げていく。語り合う。
とっても影響のある映画でした。
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