「聖の青春」鑑賞。
将棋棋士・村山聖を題材とした、大崎善生の2000年のノンフィクション小説の映像化作品。
役作りのため松山ケンイチが激太り。
かなり身体に負担がかかったよう。そらそうだっていうくらい太っている。
「全身全霊をかけても足りない役」と臨んだ彼の存在感がとんでもない。
また他の役者もとっても良い。
聖と交流する同世代のプロ棋士・荒崎学役をやっている柄本時生が彼の訃報を聞いた時のリアクション。
身体がすこし動くくらいなんだけど充分。
息もできないくらいの緊張感や、少しの目線の動きで感情が伝わってくるような演出がとっても良かった。
将棋棋士・羽生善治氏を演じる東出昌大もそうとうに似ていた。
似ているというか、東出氏が演じているっていう感覚がなく見ていた。
実在する人物をそういうふうに演じるっていうのはとても難しいように思う。
心に残るシーンが多かった。
「なんで将棋を選んだんでしょうかね?」という問う仲間に
「それよりも今やることは目の前の一手をどうするか?それだけです」というシーン。
引退して「いい経験だった」という仲間に「お前のは命がけじゃないわ!」と叫ぶところ。
村山と羽生が2人で飲んでいるシーン。
仲間には取り合わなかったのに、羽生氏には同じように
「なんで将棋を選んだんでしょうか?」と聞く村山。
それにたいして
「なんででしょうね。わたしは今日あなたに負けて死にたいくらいに悔しい」
と答える羽生。
「羽生さんは他の人とは違う海を見ている」
という村山に
「時々こわくなることがあるんです。これ以上潜ったら戻ってこれなくなるんじゃないだろうか?って」
「どんな風景なんでしょうね」
「でも村山さんとならともに見れる気がするんです。いつか一緒に見ましょう」
「はい」
というやり取りがもうとんでもない。
自分がもう癌を患っている中。
最後の村山が笑顔で「はい」という。
その間がとってもいいのよね。
さらってしてるんだけど、充分なのよね。
また「神様のすることは僕には予想できないことだらけだ」というセリフも心に残った。
命をかけているものにしか感じあえない世界、共鳴できない感覚がある。
あの孤独の2人のシーンが好きだった。
また村山聖が主役の話しだけど、この羽生善治という人は本当にすごいんだなっていうことがわかる映画でもある。
静かなんだけど、かなりの熱量が伝わってくる映画だった。
ワタリ




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