20190309(土)
その昔、東京コメディストアジェイというチームで即興をやっていたころ。
即興ピアニスト・トレバーという男がいた。
ロンドン育ちで、神経質だけど、ユーモアがあって、とにかくピアノに関してとんでもなく良い音楽を奏でる。
そして、下ネタが好き。
出逢った当初は、ぽつりぽつりとしかコミュニケーション取れなかったが、
下ネタだとなぜかペラペラ英語が出てきたワタリ。
下ネタは万国共通。
あっという間に仲良くなった。
彼が日本を出てもう何年もたつけど、たまに日本に来るときに連絡があり、いまもタイミングが合えば逢ったりしてる。
この日も、そんなトレバーの誘いで渋谷で待ち合わせ。
久しぶりに逢うトレバーはまったく変わらず、神経質な顔でハチ公前にいた。
あって、「何食べたい?」ってきくと
「なんでもいい。でも外人がいないところがいい。なぜならトレバーが王様になるから」
っていうあたりがトレバー。
お店に入って、いろいろ話す。
ワタリは片言の英語。向こうはワタリ向けに英語をシンプルにして、かつスピードを遅くして話す。
最初は馬鹿話だったが、時間が経つにつれて、シリアスな話もはいってくる。
最近の恋愛の話から、トレバーの幼少期や、家族の話。いま暮らしているドイツでの話。
今までに話ししたことのない、核の部分に触れる話になった。
ワタリも必死に英語というか「トレバーが言いたいこと」をキャッチしようと集中する。
トレバーも、自分の思いをシンプルにして話す。
そしたら
「オー・マイ・ゴッド」
とトレバー。
トレバー「君はセラピストなのかい?」
ワタリ「え?」
トレバー「数日前に友達にもこういう話しをしたんだ。英語で、今よりとっても早いスピードで、90分。でもタケシの場合は2ワードで真理にたどり着いた!」
ワタリのために言いたいことをシンプルにシンプルしていく。
ワタリも「なぜ?」「それでどう思った?」というくらいのシンプルな問いしか持たない。
そのせいで、あっという間に自分の今まで見てこなかった、見えにくくしていた核の部分にたどりついた。
そう思うと、ふだん、どれだけの必要のない言葉を使っているんだろう?って思う。
たくさんの言葉を知っていることで、邪魔になることがあるのかもしれない。
言葉をシンプルにすることで自分がもっとシンプルになっていく。
そういうことってあるんだなぁと思った。大きな発見だった。
言葉っていうのは良くも悪くも使いよう。自分をごまかすために使っている可能性もある。
シンプルな問いを使って、シンプルに答えてみる。
ペラペラと話せなくても、とてつもない充実した時間を過ごせた。
とても大事な何かが交流し合う感覚があった。
ありがとう。トレバー。
また会う日まで!
ワタリのワークショップ「ワタリーショップ」は都内で定期開催。
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