ものもらい賞受賞女優の瞼が裏がえった時。正しいは正解じゃないことを悟る

眼科にいった。
オンラインがとんでもなく増えてパソコン画面を集中して見る機会が増えた。
で、集中しているとき瞬きをしない。あまりしない。ゆえにホコリがはいったりする。だからものもらいになる。ということらしい。

今年は「ものもらいイヤー」。
今までものもらいなんて数えるほどしかなかったのに、今年は頻繁。
ものもらい授賞式に何回もノミネートしてる。
一度はとんでもなく腫れ上がった。ものもらい授賞式「片目女優賞」受賞。
「今まではオーディションすら受からず・・ずっとキレイな目のままでした。でも今回腫れてここに上がれたことを誇りに思います。オンラインに感謝します。とくにZoom!ありがとう!」とスピーチ。スタンディングオベーション。

そんな式典がたちあがるほどにものもらい。あぁ今日話したい本題に全然はいれない。

そんなこんなでまたものもらい。眼科にいって先生に処方してもらった目薬を使うもいまいち治りが悪い。
ということでまた眼科にいったんですね。
そしたらいつもの先生じゃなく、代理の先生だったんです。そのとき、なぜか少し嫌な予感がしたんです。そういうのって当たるもんなんですね。
その女性の先生は、けっして悪い先生じゃなかった。
しかし、向き合う感じがなかった。斜に見る感じ。
「顔を機械に乗せてください~もっと奥にっ。はい」
あ〜話し方に少し圧があるな〜やだな〜。と稲川淳二風に考える。
そしたら先生がまた話しかけてくる。

「アトピーは昔からですか?」
「あ、はい」

そこで会話が終わる。スーーッてしずかーになっちゃった。やだな〜なんで聞いたんかな〜。なんて思ったら突然!

「じゃあ瞼を裏返しますね」

キャーーーーー!
ってならないまでもよくわからない。え?まぶた裏返す??

ワタリ、はじめてでした。瞼裏返しの術。

小さい頃に瞼裏返して「へへへへ~宇宙人だ~」って遊んだ記憶があるくらい。
瞼はそれ以降裏返ることなく生きていたわけです。なのにいきなり

「瞼、裏返しますね」

と言われてワタリの瞼は

「え??!!!!聞いてないけど!」ってなってる。

「ちょっとまってくださいね。裏返すなんて久しぶりだから心の準備をね・・・あ!」

有無を言わさずキス。イケメンのみ許されると言われる強引なキス。みたいに瞼に指がきた。
自分にびっくりしちゃうんだけど、ワタリは観念して目を閉じてた。
そこからの瞼裏返し。
しかし、なかなか裏返らないワタリの瞼。

そらそうだ。あまりに突然なんだもの。緊張するよ。

女医さんが何回かトライする。しかし
「そんな簡単に裏返るような女じゃないんですけど」
と言わんばかりに裏返らない。

イケメンももう強行突破でくる。いや、イケメンというか女医。

4回目くらいに裏返る。観念した瞼。
普段は裏に隠れている子があられもない姿に。
恥ずかしい。でも仕方ない。

なんて思っていたら

「瞼かたいですねー」

と言われる。

「え?かたい?瞼にそんな違いがあるん・・?」

って思ったが、そこから女医はキーボードをパチパチ叩き

「じゃあ目薬を1つ出しておきますので、それを使ってください」

と話はじめた。

「え?瞼かたい話は?」とぼーぜんとするワタリ、と、まぶた。

あんなに強引にきて裏返しておいて・・・!
こっちだって観念して裏返ったのに!誰でも裏返るわけじゃないんだよ!
なのに、裏返したらもう業務的な話しかしないなんて・・あんまりだよ!

と、まぶたが泣いてる。

これはあんまりだね。とワタリも思った。

だから、せめて・・という気持ちで、業務連絡が終わった女医に聞いてみた。

「あの・・・瞼がかたいってどういう意味ですか?」

女医はこちらを見ずに

「あ~アトピーの人の特徴です

・・・・・。

・・・・・・・・・・・はぁ~!??

まったく意味がわからなかった。

どういう意味?いや、言った意図よ。

「あ・・・はぁそうなんですね」

としか言うことができず、そのまま近くにいた看護師に促され診察室をあとにした。
こっちはめったに裏返らないまぶたを捕まれ裏返しにされたのに。
裏返したことに対しては何も言わず、ただ「瞼がかたい」ということを言われる。
いきなりキスしてきて、そのあとに

「唇がかたいね。アトピーの特徴だね」

なんて言われたらどんな熱い恋も終わるでしょう。
世界で一番言わなくてもいい言葉じゃん!(※なんでずっと恋愛の例えなんだろう?)

正しいは正解じゃない。
アトピーの人は瞼がかたいのかもしれない。それが特徴なのは事実なのかもしれない。
しかし、正しいは正解じゃないんだ。
それよりもそれを言うときに、他者に対する影響を考えたり、想像したり、確認したりすること。それがごっそり抜けている。
医療に関わる人なら最も大事なことなんじゃ?と素人のワタリが考える。
相手を見ること、話をきくこと、触ること。その時相手がどういう反応をしているのか?
これは即興も超大事。もはやそれしかないやんかっていうくらい大事。

なんて思っていたら、えらいもので、看護師の1人がきて「すいません。お時間あったらこのアンケートも書いてもらえますか?」と紙を渡してきた。
それは今回の先生についての感想をもとめているアンケートだった。
すごいな。こんなの初。
でも大事だと思った。そうすることでこの病院にたいしてはちゃんとしているなっていうふうに思うもの。
そしてじっさい、ここの先生は良い先生だもの。
アンケートには「忙しいから難しいかもだけど」ということも伝えながら、「うちの瞼の責任とってくれるんかのう・・誠意はどこにあるんかのう」ということを書きました。※嘘。でもこっちを向いてほしかったとは書いたよ

片目女優賞を受賞したお目目は、「瞼がえし」という業界の洗礼をうけてより強くなっていくことでしょう。負けない。いや、何よりも瞬きしてものもらいにならないようにしたい。

皆さまも大事にしてあげてください。お目目。

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