先日、友達の家に夫婦で遊びにいった。
昔一緒に夜中まで語り合った彼女も今は2児(5歳の娘と2歳の息子)のお母さん。
千葉に住んでいるので、車で2時間ほどかけて行く。
着くと2歳の息子かんちゃんと母である友達が迎えてくれた。(お姉ちゃんは保育園)
久しぶりの再会。リビングでご飯を食べながら近況を話す。
しかし、ワタリはかんちゃんに完全にロックオン。
なぜか会った時から「おじちゃん!おじいちゃん!たけちゃん!遊ぼう遊ぼう!」と手を引っ張られる。
「おじちゃん」と「たけちゃん」ならまだ理解できるけど、途中「おじいちゃん」が入ってくるあたり流石である。
かんちゃんの目にはワタリが一瞬で老け込んだりしているのだろうか?
と、まぁ、全盛期のビートルズくらい熱狂的に迎えられたワタリ。
結果、ほとんどの時間をかんちゃんと過ごすことになった。
ひたすらに人形(ウルトラマンとか仮面ライダーとか怪獣)遊び。
変化や影響を受ける様子が楽しいのか、どの遊びもこっちが「うあ〜!!」とやられたりすると喜ぶ。
それがエンドレス。しつこい性分のワタリもエンドレスでかんちゃんに挑む。
楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
夕方。ずっと一緒に人形遊びしていたかんちゃんが、「外にいくー!おじいちゃん!たけちゃんといくのー!」と言い出した。
「え?珍しい。かんちゃんインドアなのに!」
驚く母。その言葉を聞いてなぜかオーディションに受かったような気分になるワタリ。
どうしても行きたい様子のかんちゃん。
「じゃあタケちゃんといっておいで!」と母。
ワタリとかんちゃん2人だけで外へ。
夕暮れの向こうに現れたあいつ。
外はまもなく太陽が沈もうとしていて、気温も来た時よりも下がっていて、風も強くなっていた。
そんな空気を味わった時、気づいた。
「小さい子と2人で外にでかける」それがワタリにとって初めての経験ということに。
ワタリの体を若干の緊張が走る。
かんちゃんと手を繋ごう。とにかくかんちゃんを守らねば。
ワタリはかんちゃんの手を持とうとする。が、かんちゃんはワタリの手をスルリと抜けて、歩き出す。
「緊張してる大人の手をにぎるのが1番リスク高いからね」
そんな言葉がワタリの脳内をかけめぐる。
深呼吸し、ワタリはかんちゃんにぴったりくっついて一緒に歩く。
もはやどっちが保護者か分からない。
色んなところ行ったり来たりするかんちゃん。ぴったりくっついて歩くワタリ。
大きな通りの方に向かう。車がたくさん通っている。
ワタリ「かんちゃん。車多いから戻ろう」
そう言ってかんちゃんの顔を覗き込むと、かんちゃんは遠くの空1点をじっと見つめたまま動かなくなった。
ワタリ「。。かんちゃん?」
かんちゃん「。。。怪獣だ」
ワタリ「え?」
かんちゃん「怪獣がいるっ」
遠い空を指差すかんちゃん。
かんちゃんにはしっかり見えている。全身でその真実を表している。
いる。怪獣がいる!
「逃げろー!」
ワタリがいうと、かんちゃんが走る。ワタリも一緒に走り出す。
さっと手をだすと、力強くワタリの手を握るかんちゃん。
また立ち止まり。
かんちゃん「あっちにも!いる〜!」
ワタリ「にげろー!」
あっちへこっちへ逃げる。途中、ビームとか出して立ち向かったりする。
知らない土地で子供と二人っきりのシチュエーションの緊張感あるワタリにとっても、かんちゃんにとっても大冒険。
車が来たら、さっとかんちゃんを抱きかかえ、怪獣が来たら一緒に走る。
子供の想像力。全身を使って遊ぶこと。
毎日が大冒険。
即興で遊戯するのにとっても必要なこと。
その後は娘も帰ってきて、皆で一緒に遊んだのでした。
子供の発想、お話を舞台に。
子供の発想といえば、先日、旧友であり、劇団ハイバイ主宰の岩井秀人氏がやっている舞台「なむはむだはむ」を観劇した。
子供がつくったお話を真剣に演劇にするというもの。
これがとても面白かった。
商業用として子供の発想を使うのでなく、ちゃんと子供と向き合ったことが作品を通してわかる。
その心意気も作品自体も面白いものでした。ここで明記しませんが、あの年齢の子供にしか出せない発想、書けない言葉が心を鷲掴みにする。
3月12日まで東京芸術劇場ウエストホールでやっています。タイミング合う方は是非。
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