こんにちは。即興遊戯者・渡猛です。
先日3/29(火)に開催したヒトリワタリ32。
1人でやり続けた結果、1人でやることに対しての恐怖がなくなっていき、1人で即興で演じることが何であるのか?ということが身体的に分かってきていると気づいたvol.31。
即興で表現する時の大事な要素。
「上手くいくか?失敗に終わるか50:50の割合いで臨む」「自分がどうなるか分からない未知のところへ進む」
ということではなくなってきていると気づいたvol.31。
そうしないと、どうしても自分のやれる範囲でしかやらなかったり、自分の技術だけで見せたりし始めるのですね。
もちろん技術で魅せることも好きだし大事なのですが、即興でやるならば、その自分の枠を超えて、コントロールを外して、むき出しで、丸裸になった状態で臨み、演じてる本人が「次どうなるか分からない」ところいき、その中で、勇気を持ち、不安を乗り越え、もしくは不安も内包して、幸せに臨む。
そうした時に、よりエキサイティングで興味深く、バカバカしく、愛おしく、大笑いできる瞬間に出会える。そういう即興が好きな渡なものですから、これは何かを変えないと思った次第。
いろいろ考えた結果。まずは自分が即興表現で不安と思っているものを考えました。で、出てきたのが「歌」。
これはチャレンジするしかないでしょう!ってことで、歌に臨んだ今回。
本番を迎えるにあたって、元・宝塚歌劇団愛加あゆ氏、元・劇団四季女優中野真那氏、シンガー・ソングライター原田茶飯事氏それぞれに「歌うこと」についてインタビューし、歌うことの意識を高めに高めた今回。
三者三様の視点があり、どれも素敵な言葉がたくさんある中で、印象的なのは「誰も技術的なことを言っていない」ということ。
感情だったり、イメージだったり、空気だったり、勇気だったり。歌うことの本質と演じることの本質はそうとう似ていると感じました。
それがまた渡の気持ちをほぐしてくれました。
今いるところをイメージし、信じ、登場人物の感情を歌う。
技術的なことはとにかく練習する。
練習には、今回ゲストのコニタンこと小西真理氏が指導してくれました。
渡が気になり囚われている音程。
自分の恐れがなくなる、もしくは恐れと共に存在できるまで練習。
家でもとにかく歌う。
そうやって渡なりに不安と向き合いました。
今回がなかったらここまで歌を身近におくことはなかったように思います。「英語を話したかったら英語だらけのところに身をおく」に近いといいますか、原田茶飯事氏のインタビューでも言っていたけど、それをしたかったらそれを常に考えないといけない状況にするっていうのが、本当に大事だなと。
で、本番。(ヒトリワタリの日で、晴れたのは本当に久しぶり!)
ステージに立ち、オープニングトーク。
コニタンがピアノの前に座り。
「ヒトリワタリ vol.32〜歌うたいでワタリする〜」が始まりました。
もちろん最初から歌。
事前にお客さんから書いてもらってセリフの1つをとりあげ、それを歌のタイトルに。
タイトルは「いつも見守っているからね」。
コニタンの即興演奏が始まり、そこに身を委ね、あとは信じて歌う。
歌を中心におおくりしたヒトリワタリ vol.32。
最後は複数の物語が交差する1人芝居をミュージカルでチャレンジ。
「田舎にマイホームを買った家族(幽霊付き)」と、「失恋した男をなぐさめる男たち」の話が交差していきました。
劇中、幽霊に巻き込まれて天国にいってしまった子供の「僕、巻き込まれたよ」の歌が個人的には心に残っております(笑)
かくして、自身の不安と向き合ったvol.32。大盛況にて終了しました!
もう、今回は相当な多幸感がございました。歌ってやっぱり良い。音楽って偉大。
本番数日前に決めた「あること」。
渡が本番数日前から決めたことがあります。
それは「歌が苦手っていう認識でいるのをやめる」ということ。
歌が苦手という認識でやっても、おそらく苦手という世界から逃れられないと思いました。
だから、「私は歌える人間」と決めて、そう信じてそう振る舞うように仕向けました。
「ああいう人って素敵だな〜僕もああいう人間になりたいなあ」って思って努力しても「そうじゃない自分だから頑張っている」っていう事実を無意識に作り出しているという心理が働く。
バレーボールでサーブを打つ時に「私はサーブが苦手でミスしやすいからなぁ〜」って思う(信じる)のと「私はいつももサービスエースを取る人間だ」と思う(信じる)のでは結果がかなり変わってくるのと同じことで。
「苦手」という世界でも、それでも頑張ってやっていけば、いつかは結果が出るのかもしれませんが、それよりも
「私はそういう(なりたい状態)人間。それができる人間だ」と決めて、振る舞ってしまう。
気持ちや振る舞いだけでも、答えを先に作っちゃう作戦です。
それには信じる力だったり、ハッタリ力だったり、色んなことを素敵に正当化する力が必要ですが、即興のトレーニングではそういうことをよくやるし、渡自身、自分で自分を調子づかせることが得意なので(笑)、この作戦はかなり功を奏した気がします。
そして、この本番を経て、歌で楽しい時間を作ったという結果が、さらに大きな自信とさせてくれました。
「小さいころ皆の前で歌って笑われてしまい、歌が苦手」という認識が「歌が大好きで、皆の前で歌って楽しい時間を作れる」という認識に。
もちろん、プロで歌で生きている人から見たらヨチヨチ歩きどころかまだ生まれたばかりの状態ではございますが、この認識の変化はもう渡からしたらそうとうな経験でした。
そして、そうなったのは、もう、ヒトリの力では不可能でした。
インタビューに快く応じてくださった愛加あゆ氏、中野真那氏、原田茶飯事氏。
しつこく練習に付き合ってくれた小西真理氏。
ずっと支えてくれ、家でも音程チェックをしてくれた永田マミ氏。
渡のチャレンジの一瞬一瞬を見逃さず撮り続けてくれている会田将巳氏。
いつも本番前後に全力でチアアップしてくれるフラットハウススタッフ橘ちあ氏。
そして、今回、フラットハウスに来てくれたたくさんのお客様。
友達が友達を呼んでくれたり、広島から、そして奄美大島から来てくれた人もおりました。
渡のBlogを読んで「自分の恐怖と向き合い乗り越えようとしている」というところに共感してくれて当日駆けつけてくれた人もいました。
いつも思いますが、「ヒトリワタリ」は「1人じゃない」ということ。
たくさんの人たちの愛情によって育ててもらっております。
今回ご来場くださった皆様、本当にありがとうございました!
この恩をお返しできるようさらに精進いたします〜っ!
ほなー。
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