元・劇団四季 女優中野真那氏に「歌うこと」について聞いてみた。

こんにちは。

3/29(火)に開催する「ヒトリワタリ vol.32」で歌に挑戦する即興遊戯者・渡猛です。

まず今の段階で「ヒトリワタリって何?美味いの?」って思ったあなたは以下の記事をどうぞ。

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歌にチャレンジということで、歌を生業としている人達に「歌うことで大切にしていること」をインタビューして、少しでも歌うことの意識を高めようと思い立ちました。

1回目のインタビューは元宝塚歌劇団女優・愛加あゆ氏。

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そして第2弾となる今回は
元・劇団四季女優であり、昔一緒に即興芝居でステージに立った仲間である中野真那氏にインタビューさせてもらいました。

マナアイコン人物紹介:中野真那(なかの まな)

劇団ひまわりを経て、劇団四季へ。

退団後は東京コメディストアジェイの即興ライブに出演。

2014年より「心魂プロジェクト」という、難病の子供たちへパフォーマンスを届ける活動に参加している。

 

 

目次

4畳半の部屋から始まった歌う人生

ワタリ
小さいころから歌うことは好きだった?
マナ
はい。いつも歌ってました。4畳半の部屋で、どっちかがお客さん、どっちかが舞台って決めて、劇団飛行船のテープをかけながら、自分が歌って踊ってました。
ワタリ
すごいね〜あと、4畳半だったんだね。
マナ
でも、もともと喉が強くなかったので、母親が「マナがこのままミュージカルやりたいと思ったら可哀想」って思ったらしく、そこからぱったりミュージカルが見れなくなりました。
ワタリ
お母さんの行動もスゴいけど、結局ミュージカル女優になったっていうのもスゴい。その後、ミュージカルからは遠のいたんでしょう?
マナ
はい
ワタリ
でも、なにがきっかけでミュージカルやろうってなったの?
マナ
それがとくになくて、ある時、きっかけもないのに、「まずはミュージカルだ!」って思ったんです。
ワタリ
なんだろう。スゴいとしか言えないわ。

補足
劇団飛行船は昭和41年の創立以来、「幼い胸に美しい夢と感動を!」をモットーに、世界名作や日本昔話、よく知られたアニメ作品などをマスクプレイ・ミュージカルとして舞台化している劇団。国内だけではなく海外公演も数多く、今では世界各国で「おとぎの国の使者」として親しまれている。《劇団飛行船webより》

劇団四季時代に声が出なくなった。2つの理由。

ワタリ
劇団四季の時の話を聞かせてくれるかな?
マナ
はい。四季に行くときに「今までの歌い方は素人。0からスタート」って思って、今まで(の歌い方)と決別した感覚があったんです。
ワタリ
うん。
マナ
でも、半年もたってない頃、大きい役を与えられそうになって、ただ、自分の中で「俳優は30歳から」っていうのがあったので、「まだ早い」と。流れでいっても、ある時何もできなくなるんじゃないか?っていう不安、恐れがあったんですね。
ワタリ
「0からスタート」と「俳優は30歳から」という想いがあるのに、大きい役が来そうになった。
マナ
はい、で、自分の軸がないまま、とにかく周りから言われることを良いも悪いも全てを吸収してしまって、1年かけてどんどん歌えなくなっていった。1人だと歌えるのに、誰かがいると声がでない。病院にいっても健康って言われる。
ワタリ
完全に心の問題だったんね。
マナ
その後もソロパートをもらっては歌えず、他の人に振り分けられ。。それが3年続きました。
ワタリ
すごい期待されていたってことなんだけど、その状態だときついね〜。

即興ミュージカルで声が出た

マナ
他にも理由は沢山あったけど、自分で歌える道を見つけると決めて退団。退団してから一年間は歌のレッスンはしてたけど、後は何もしてなかったんですけど、一年後コメディストアジェイに入って即興ミュージカルをやった時、心と声が繋がって声が出た。
ワタリ
コメディストアジェイで楽しそうに歌うマナしか知らないから、驚いてます。じゃあ、即興で歌うことは大きいことだったんだね。
マナ
はい。心と声が繋がること。それが今後のバロメーターになりました。
ワタリ
そこからカザフスタン(旧ソ連)でロシア語の舞台に主演で出演したり、劇団☆新感線の舞台に出演したりして。。
マナ
はい。それに歌の先生が「あなたは絶対できるから」ってコンサートに片っ端から出して場数を踏ませてくれたりして、、。
ワタリ
愛されてるね〜。
カザフスタン(旧ソ連)公演、オペラ俳優と共にお送りした舞台「アスタナ」は大統領の生誕祭で作られたミュージカル。そこで主演をしたり、劇団☆新感線に出演したり、コンサートに出たり、、マナ氏の能力を信じ、支え、応援する人達がまわりにいたり、出逢ったりしたのだなぁ。それを引き寄せる能力がマナ氏にはあると思いました。
補足:東京コメディストアジェイとは?
2004〜2012の8年間。即興コーチ第一人者今井純を中心に東京原宿を活動拠点としたインプロ(即興演劇)演者が集まりライブするカンパニー。

歌うときに大事にしている2つのこと。

ワタリ
歌うときに大事にしていることを教えてください。
マナ
歌は歌おうとしない。
ワタリ
おお
マナ
発しているのが声ならセリフでしかなくて、心の声だとしたら心の声が出てるだけ。それを「歌おう」とするのではなく、結果歌になっているというような。
ワタリ
歌で表現するというより、歌になっているというような。
マナ
即興ミュージカルはまさにそれで、歌おうとして歌えない。心情がまさにダイレクトに出てきたものが、メロディにのって声にのって歌になる。まさにミュージカルで何週間、1ヶ月とか2ヶ月とか一生懸命作って完成されるものが一発で出る時があります。
ワタリ
心情から出なくてダイレクトに大ゴケする時があるのも即興ならではよね(笑)
じゃあ、歌おうとするっていうのは「うまく歌おう」っていう気持ちやテクニカル的な意味もあると思うのだけど、そうじゃなく心情というのが1番?
マナ
技術ももちろん大事で、そのためのレッスンもしてるけど、そこに走ると声は出るけど「なんかつまんない」って言われます。いい声を、大きい声を聞かせるためじゃないから。だから「いい声だね〜」って言われるのは負けで、テクニックうんぬんでなく、自分の状況をはっきりさせてこそ声がでる。遠回りでも初見で歌わずに、時間かかってもそこを作っていく。それが完成した時、自分の今として声が出るというのは体感があります。
ワタリ
なるほどね〜
マナ
あとは、ちゃんとここにいること。

難しい時

ワタリ
ミュージカルをやってて難しいな〜って思う時はどんな時?
マナ
自分がちゃんと(ここに)いれてなかったり、ツメが甘かったり、声をこういう風に出したいところにチャレンジしたいのに、安全パイにいったり、でもそれだとスキマができてしまうから、聞く人が聞くと伝わる。その1場面が欠けてしまう。そういう時が、、あったかな〜(笑)
ワタリ
笑 ないんかーい!
マナ
隙間があると声が一切出ないんです。あと、試験みたいな感じで歌うのはとっても難しいです。
ワタリ
感情とかじゃなくね、ただ歌うみたいな時ね。うん。

気をつけていること

マナ
乾燥しないようにマスクしたり、湿度に気をつけたり。
ワタリ
うん
マナ
あとは、本番中アメをほっぺに潜ませていたことがあります。
ワタリ
なんと
マナ
2時間くらい出ずっぱりの舞台で、劇場は乾燥してるし、緊張すると喉が乾くから「そうだ!アメを砕いてここに(ほっぺに)潜ませよう!」って。
ワタリ
リス的な。。
マナ
良かったんですけど、虫歯が5個くらいできました。だからダメですね(笑)
あとは朝起きたら、声が起きるまであんまり話さないとかです。
ワタリ
子供の時から喉が弱いって話があったけど、今もすごいナイーブなんだよね?
マナ
そう、でもそれで良いらしいです。
ワタリ
え?
マナ
私が携わっているパフォーマンス団体があって、そこで先生に「頑張ります。強くなります」って言ったら「そのままで良いよ〜!繊細なのも自分の個性だからね〜」って。
ワタリ
いいね。個性って。今の自分や自分の身体を弱点として捉えて、ある意味無視して理想に行くのではなくて、それを個性として受け入れて付き合って使っていくっていうね。それが味になっていくのかもね。

ミュージカルの動きについて

ワタリ
歌についてたくさん聞きたけど、歌っている時の動きについて教えてほしいです。
マナ
セリフが歌になるのと同じで、心情が膨れ上がったものが動きになるんだと思います。
カメラワークと演者を1人でやるような。。

1

マナ「えっと、ちょっと閃いたので動いてもいいですか?」

ワタリ「え?」

2

マナ「例えば何かをたくらんでいて、これからこの計画を実行して皆を落としいれるぞ〜ってワクワクしてたら」

ワタリ「。。。」

3

マナ「こういうステップだと動きは動き。歌は歌。とバラバラになってしまって難しい。動きと歌と気持ちがつながっていると辻褄があいます。」

4

ワタリ「うーん。。こ、こうかな」

5

マナ「はい。で、演じながらカメラが動いていってこうこうパーンって。こうやっていくと気持ちのクレッシェンドが見えてくる。」

ワタリ「。。なるほど。」

6

マナ「今いる空間をビジョンで見て、そこを感じる。ここにいるから、そこが見えて、感じて、次のセリフや感情が湧き起こってくる。」

7

ワタリ「こう?」

マナ「こうですね」

4畳半をミュージカルステージに変えていったマナ氏のイマジネーションは健在。
インタビューしていた場所が即ミュージカルステージとなり、しばらく踊り歌っておりました。

感想。

付き合い自体は長い中野真那氏にインタビュー。でも、聞いたことのない話ばかり。

彼女のストイックさ、キュートさ、まっすぐな心。たくさんの人が彼女に愛情を注ぎたくなる感じが改めて分かる。

色んな人が関わって彼女を色んなところに連れて行き、彼女もそれを引き寄せ、繊細さと強さを育てる。それをまた見てる人に還元する。

その素敵な循環が、さらに大きく広がっていきますように。
今後の彼女も楽しみです!

中野真那氏。ありがとうございました!

さらに歌の表現へ。心と声を繋げながら、一つ一つ大事に参ります!

一週間をきった「ヒトリワタリ vol.32~歌うたいでワタリする~」の詳細は以下です。

【ヒトリワタリ vol.32】

日程:3/29(火)
open/start:1930/2000
料金:2000円(飲食持ち込み自由)
場所:Flat House
住所:東京都港区西麻布3-21-15
最寄り:
[地下鉄]
・日比谷線「六本木駅」1C出口 徒歩5分
・大江戸線「六本木駅」3出口 徒歩8分
・日比谷線「広尾駅」3出口 徒歩10分
・千代田線「乃木坂駅」5出口 徒歩10分
・大江戸線「麻布十番駅」7出口 徒歩15分
・南北線「麻布十番駅」4出口 徒歩15分

[バス]
・都バス 都01系統(渋谷駅前⇔新橋駅前)「西麻布」下車
・都バス 渋88系統(渋谷駅⇔新橋駅北口)「西麻布」下車
※ 渋谷駅からお越しの場合は停留所から徒歩3分
※ 新橋駅からお越しの場合は停留所目の前

※会場は脱靴スタイルです。スリッパをご用意しております。
※全席自由席です。ご来場先着順でお好きな席をご利用いただけます。
※料金は当日精算(現金のみ)です。ご入場時に受付にてお支払いください。

予約は下記のボタンをクリックして、
《LIVE名、お名前、チケット枚数》を明記の上、送信くださいませっ。

【ヒトリワタリとは?】
基本、ひとり。時々ゲスト。

「自分の能力の最果ては?自分を、人を、空間全部を徹底的に信じた先は?」

即興遊戯者・渡 猛(わたりたけし)が即興で演じ、歌い、踊るエンターテイメントLIVEです。

場所は西麻布のオアシス、多目的空間フラットハウス。

その優しい雰囲気の中で、追いつめられ、汗かき、無我夢中に飛び込む企画になると思われます。

*photo by Mami Nagata

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