きっかけは「能楽堂」:場所の力に気づかされた
表参道能楽堂(銕仙会)に下見にいった時に感じたあの空気感。
大都会の表参道の喧騒が一瞬でなくなり、空気の質が変わる。
「うっわぁ・・」と声が漏れた。
能という650年の歴史をもつ表現。たくさんの人間が研磨し引き継いできた歴史。
この試行錯誤の結果が生んだ空気感。
ここで、即興で、一人芝居をする。
不安もないまぜになりながらもワクワクした。
そこから告知がはじまった。
多くの人が「え?能をやる舞台で?」「能楽堂!すごい!」というような反応をくれた。
そのたびに「場所のもつチカラ」について考えざるを得なくなっていった。
「やることは変わらない。いや、むしろ毎回変わる。(※即興だからね)」
インプロの本質はそうかもしれない。
でも、今回ほど「どこでやるか」が持つパワーを意識したことはなかった。
今までのワタリ:「やりやすさ」「感覚的に好き化」重視だった場所選び
思い返せば、これまでのワタリは、ヒトリワタリやマツリライブの場所を選ぶとき、
「インプロがやりやすいか?」
「お客さんがリラックスできるか?」
「感覚的に好きか?」
という視点が強かったように思う。
見る見られるという関係にならないような場所。
飲食ができたらまた良し。
そういうものを大事にしていた。
それは、インプロを既に知ってくれている人、楽しみにしてくれている人にとっては最高の環境だ。
僕自身も心地よい。
新たな視点:「場所の力」でインプロを届けるということ
しかし、今回の能楽堂公演の準備を通して、別の視点が生まれてきた。
インプロは、まだ日本では広く知られていない表現だ。
だからこそ、「知られている場所」「パワーのある場所」でやることに、大きな意味があるのではないか?
マツリメンバーのマイキーさんは4年間主催し続けた「ヒカリ」という公演では
広島の「おりづるタワー」「広テレのホール」などインプロを知らない人でも「え?あそこで!?」という場所でやるという工夫があった。
それは、今までインプロに触れる機会のなかった人々に「なんだろう?」と興味を持ってもらうための、強力なフックになる。
そして、インプロという表現自体の「格」や「認知度」を引き上げるきっかけにもなり得る。
ホームとハレの場:これからのインプロの届け方
もちろん、居心地の良い「ホーム」のような場所でのライブは、これからも大切にしたい。
マツリやヒトリワタリを好きなファンと濃密な時間を共有できる、かけがえのない空間。
でも、それと同時に、年に一度くらいは、能楽堂のような「場所自体がチカラをもっている会場」での、多くの人の目に触れる「ハレの場」で勝負することも、インプロを広げていくためには必要なのかもしれない。
「劇場はとかくお金がかかるし…」と以前は敬遠していたけれど、目的が違うのだ。
新しい出会いを生み、そこからホームへと繋げる。そんな循環を作れる可能性がある。
結論:掛け算で生まれる新たな可能性
「何をやるか(インプロ)」だけでなく、「どこでやるか(場所の力、知名度)」。この掛け算によって、届けられる人、届けられる価値が大きく変わってくる。
今回の能楽堂でのヒトリワタリは、僕にとって、その可能性を探る大きな一歩になる。
まずは、この特別な場所で、いつものように僕自身の全てを懸けて、最高のインプロを届けたい。
そして、この経験が、今後の活動にどんな新しい道を開いてくれるのか、ただただ楽しみにしていこうと思う。
ということで、そんな大きな気づきをくれた能楽堂でのヒトリワタリは
なんと明日!!!!
お待ちしております〜!!!!
「ひとり即興芝居LIVE『ヒトリワタリ』at 能楽堂」
日程:2025年4月26日 (土)
出演:渡猛(ワタリタケシ)
即興ピアノ:コニタン
時間:開場 12:15/開演 13:00
料金 : 前売 ¥5,000
会場:銕仙会能楽研究所2F本舞台
住所:東京都港区南青山4丁目21−29
■購入ページURL https://eplus.jp/sf/detail/4294990001-P0030001
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