「もっとちゃんとやらなきゃ」「なんで自分はこんなこともできないんだ…」
そんな風に、自分で自分を追い詰めて、息苦しくなってる人ー?
完璧を目指すのは素晴らしいことだけれど、それで心が焦りと不安でカチコチになってしまったら、元も子もないよ!
と、ワタリは思います。
こんにちは、インプロ(即興劇)の世界に長年浸かっているワタリです。
今日は、完璧主義でちょっぴり苦しくなっているあなたへ、インプロ的な視点から見つける
「自分とのいい感じの付き合い方」と、肩の力がスッと抜ける「ラクちんコミュニケーション術」のヒントをお話ししたいと思います。
「~しなきゃ」の呪いと、自分責めのループ
以前、京都の大学で学生さんの悩みを聞く機会があったんですが、多くの学生さんが「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」と焦っていたり、「期待に応えられない自分はダメだ」と自分を責めてしまったりしていました。
多くは「完璧にやりたい!」ではなくて「完璧にやらなきゃ」という考えでした。
完璧にやらないと自分という存在は価値はない!
ここのレベルまで高めないと人に迷惑がかかる!人に迷惑をかけるような自分になってはいけない!
そんな呪文(呪い)をかけておりました。
話しを深く聞いていくと、過去に友だちから受けた傷や、親から貼られたレッテルが起因していました。
そこにプラスで自分で刷り込むように呪文をかけている。。
なので当然のように「これをやらないと自分は失格」と思い込んでいます。
いつも焦っているし、いつも不安です。
でもこれって、学生さんだけの話しじゃないなと。
大人だってよく陥りがちです。
真面目で、頑張り屋さんな人ほど、このループにハマりやすいのかもしれません。
インプロ的視点①:「失敗?それはおいしいヤツよ!」
さて、ここで登場するのがインプロの考え方。
インプロと聞くと、「舞台の上で何か面白いことを即興でやるんでしょ?難しそう…」と思われるかもしれませんが、実はインプロの精神って、日常生活やコミュニケーションにめちゃくちゃ役立つ知恵の宝庫でございます。
その一つが、「失敗はギフト(贈り物)」という考え方。
インプロの稽古場では、失敗は笑いに変わり、新しい展開を生む「おいしい」きっかけになります。
誰も失敗を責めたりしません。
だって失敗が笑いになり、素晴らしい展開になるのだから。
そうやって「失敗はギフトになり得るんだ」という感覚が身体でわかってくると、
「失敗しても大丈夫だ」「そこから何か面白いことが始まるかも」とワクワクし始めます。
この感覚こそが、完璧主義の呪いを解く大きな鍵になると思ってます。
「~しなきゃ」の代わりに、「いっちょやってみっか!」(※悟空:ドラゴンボール)となり、「ダメならダメで、そこから考えよう」って思えるから、ものすごくラクになっていくんです。
インプロ的視点②:「Yes, And」で自分も相手も受け入れる
もう一つ、インプロの超基本であり奥義でもあるのが「Yes, And(イエス・アンド)」の精神。 これは、相手の言ったことや起きたことをまず「Yes」と受け入れて、そこに「And」で自分のアイデアや感情を乗せていく、というもの。
これを自分自身に向けてみるとどうでしょう?
「ああ、今日もうまくいかなかったな…(Yes、それも自分だ)。And、でも、昨日より一行多くブログ書けたじゃん!(小さな成長を見つける)」 「資料作り、完璧には程遠いけど…(Yes、今の実力だ)。And、でも、伝えたい一番大事なことは書けたぞ!(目的を達成する)」
こんな風に、今の自分をまず「Yes」で受け止めて、そこから次の一歩を「And」で考える。 これが「自分とのいい感じの付き合い方」の第一歩。自分を否定する言葉が減ってくると、不思議と心も軽くなります。
このYesができてないとどうなっているか?っていうと
「ああ、今日もうまくいかなかったな…(NO、なんて自分はダメなやつなんだ。そもそもどうしてそうなった?なんでこんなこともできないんだよ!)もういい加減才能ないからやめちゃえば?(成長の種を潰す)」と自分をただただ止めてしまう思考になりがちなんです。
そしてここにかけるエネルギーや時間は必要でしょうか?
自分を壊し、進ませないようにしたいという目的であれば大成功です。
でも、そうじゃないとするならば、1秒もその時間は必要ありません。
なので、これも練習です。まずは「Yes」と受け止めてみることをオススメします。
「ラクちんコミュニケーション」への道
自分に「Yes, And」できるようになると、他人とのコミュニケーションも変わってきます。
自分を過度に守る必要がないので、相手に意識をむけることができます。
そのうえで、相手の話をまず「Yes」と受け止める(同意じゃなくてOK、ただ「あなたはそう思うんですね」と認める)。
そして「And」で自分の意見を伝える。 相手を否定せず、自分の意見も大切にすることができる。
これって、すごく風通しの良いコミュニケーションだと思いませんか?
自分のすごさを立証するための完璧な正論を言わなきゃ、とか、
自分の正しさを証明するために相手を論破しなきゃ、なんて気負いもなくなります。
最後に:インプロ、ちょっと覗いてみませんか?
「自分とのいい感じの付き合い方」も「ラクちんコミュニケーション」も、特別な才能や努力が必要なわけじゃありません。インプロの稽古場は、そんな「深刻にならずに」「成りたい自分になる」または「素直な自分」を体験できる、安全な失敗と挑戦の場所です。
もしあなたが、「完璧じゃない自分も好きになりたい」「もっと気軽に人と話せるようになりたい」と少しでも感じているなら、インプロの世界をちょっとだけ覗いてみるのはとてもオススメです。
「インプロ、やってみたいかも!」「今の私に、これ必要なのかも?!」
そんな風に思ったのであれば、嬉しいですし、会いにくるタイミングだと思います!
まずは、深呼吸して、ものすごく気楽に「いっちょやってみっか!」と呟いてみることから始めてみませんか?
きっと、何かが変わるかもしれません。
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