アクトリーグを継承したり、ゲキダンワタリタケシを立ち上げたり。枠をハズしてリスクをとって動けているとは、眞邊さんのたった1つの想いがワタリを響かせたからだ。表には出てこない裏をどうしても知ってほしいから叫ぶ

表も見てほしいが裏も見てほしい

ゲキダンワタリタケシ旗揚げ公演「あなたのココロにラマダンを」。

開幕までなんと残り5日となった。

ここにくるまでにわりと、いや、けっこう色々あったなぁ・・って感慨にふける暇はなく。そんな暇があったら老けるばかりで。

老けたくないので、感慨を噴き出すことにしました(迷惑)

渡猛と眞邊明人が「ゲキダンワタリタケシ」という「劇団じゃないゲキダン」という破天荒なネーミングと企画をなぜ?どういう経緯で立ち上げたのか?

ワタリ自身も今となっては「え?なんだっけ?」という藪の中状態なので、自分のためにも書き綴っておこう。

そんなわけで、振り返っていきます。

ゲキダンワタリタケシの旗揚げ公演に来てくれる最高人間なる皆様がより楽しめるますように。

動き出したのは数年越しの想いが行動となって現れた2022年1月末

「もっと自分がやっている即興をたくさんの人に見てほしい、伝えたい、知ってほしい、体験してほしい。だからもっとたくさんの人を巻き込めるイベントをつくりたい」

今年になって、いや、それはもう何年もまえからワタリが頭の中で思っていたことだ。

それが今年になっていよいよ爆発した。

時は2022年1月24日のam11:48。

ワタリが一通のメッセージを眞邊さんに送るところから始まる。

「なぜ眞邊さんに?ちょっとまってよ。そもそも眞邊さんって誰よ」

そんな声が急に聞こえた。おいおい。物語はもう始まっているのに!じゃあ紹介するよ!

眞邊明人プロフィール

脚本家、演出家
1968年生まれ。同志社大学文学部卒。
大日本印刷、吉本興業を経て独立。
独自のコミュニケーションスキルを開発・体系化し、政治家のスピーチ指導や、一部上場企業を中心に年間100本近くのビジネス研修、組織改革プロジェクトに携わる。
研修でのビジネスケーススタディを歴史の事象に喩えた話が人気を博す。 2019年7月には日テレHRアカデミアの理事に就任。また、演出家としてテレビ番組のプロデュースの他、最近では演劇、ロック、ダンス、プロレスを融合した「魔界」の脚本、総合演出をつとめる。
著書『もしも徳川家康が総理大臣になったら』が10万部を超えるベストセラーを記録し、政治経済番組など各メディアへの出演など、現在の社会情勢を的確に洞察できる存在として今まさに注目を集めている。尊敬する作家は柴田錬三郎。

ここに書かれてなくてびっくりしてるけど、2007〜2009年あたりで開催されていた日本発の俳優によるプロリーグ「アクトリーグ」のコミッショナーでもある。

ワタリと眞邊さんの直接的な出逢いはそのアクトリーグから。
アクトリーグでのワタリってのはそらぁもう彗星のように現れて大活躍したんだ。(遠い目)

閑話休題。

そんな眞邊さんに上のメッセージをしたって話。

そしたらそっこうで

ときた。めっちゃはやい。

ここで歯車が動き出した。

このやり取りがなかったら今はない。

君は「相談返し」を知ってるか?

その日の夜にZoomで顔を合わせた。
緊張しながらもワタリが眞邊さんに伝えたのは以下の内容だった。

「ロクディムをはじめて14年。個人としても即興活動をしてきました。でもいま過渡期と感じています。じっさいに観てもらわないとなかなか伝わらない理解されないイメージされない。ゆえに広まりづらい。いまの活動だけじゃ足りない!なんとかできないか?もっと皆が参加できるような・・そうだ!アクトリーグだ!あのフォーマットはものすごく楽しかったなぁ。青春だったなぁ。ということで、アクトリーグの枠組みを使わせていただくことは可能でしょうか?」

ここでアクトリーグってなんぞ?って思った人に説明する。知ってる人はささっと飛ばして読んでね。

アクトリーグは3分×4つの物語を即興でつくる。選手がいて監督がいてチームで競い合う。関西と関東でチームで毎月バトルする。西と東の1位のチーム同士が最後戦い日本一を決定する。
ざっくりいうとそんなルール。

当時たくさんの俳優さんが参加していて、いまや芸能界の第一線で活躍している人もいて、皆、熱くて、夢中だった。

そんなアクトリーグが2009年に終わった。
理由はいろいろあるが大きな理由としては2つあるとワタリは思う。
まず即興のクオリティの部分。
参加している人の多くは、ワタリが学んでいるような即興のノウハウは0。
だから即興のクオリティとしては頭打ちになっていく。パターンになっていく。結果、スリリングな部分はなくなっていく。
もうひとつは眞邊さんが飽きた(どどーん!)

ということで、惜しまれつつもアクトリーグは終わった。

そこから12年経った。
以降、あの規模でのプロリーグはできていない。

ワタリの頭の中では大きな夢になっていた。

いまのワタリがあのシステムを活かしつつ、そこに即興のノウハウを注入したら・・・。

だからこそ眞邊さんに筋を通したかった。
アクトリーグをそのままやるわけでもないし、そもそも目的が違う。
しかし時間制限があることだったり、監督がいるという部分は使いたい。
だからしっかりと眞邊さんに伝えたい。

その思いをたどたどしくもZoomの画面ごしの眞邊さんに伝えた。

真剣な表情でワタリが話し終わるまで黙って聞いていた眞邊さんが、そのままの表情で言った。

「じゃあアクトリーグを継いでくれよ」

くるん。ぷりん。

なんの音だ?って思ったら自分の脳みそがくるんと回転した音だった。じゃあぷりんは?ぷりんはぷりんだ。

え?アクトリーグを継ぐ??

そこから眞邊さんは堰を切ったようにしゃべる。

「名前を変えて似たようなことをしてもなんにもならないよ。やるならアクトリーグがいいよ。そっちのほうが面白いし、それだったら俺も一緒に盛り上がれる。いいじゃんか。二代目コミッショナーって。なにかを継承するって経験も面白いし、タイミング的にも12年っていうのは一周した感じがするし、他ならぬワタリくんだし。もちろん中身に関してはもう任せるよ。好きにやったらいいだよ」

あまりにも想定外の言葉だったのでZoomを切るまで混乱していたと思う。

アクトリーグの枠組みをもらって新しいものを作るのと、アクトリーグを継ぐっていうのはまったく違う。

あまりにも大きな船を任された感じがして「え?これって運転できるんだっけ?」という状態。

しかし、混乱していつつも「そっちのほうがどうなるのか分からない。それが面白い」と楽しんでいる自分もいた。

この時のZoomは「とにかくロクディムにもツマミちゃんにも話ししないと簡単にイエスとは言えないので確認させてください」ということになった。

すこし引き気味のワタリを察したのか

「いいよ!でも『やっぱり止めます』はもう止めてくれよ」

と眞邊さんは先手を打つ。

新手のスタンド使いに攻撃されているのか?と自分から相談したくせに思う不思議さ。

光栄なことと、不安がまじりまくって、そして興奮して寝付けなかった(寝たけど)。

アクトリーグをはじめることに燃えた日々

そこからロクディムとツマミちゃんに話をした。

皆、びっくりしつつも「タケシがやりたい!ってことなら応援する」
と、言ってくれた。

それを眞邊さんに報告して「じゃあどうやってアクトリーグを復活させるのか?」をかなり話しあった。

その細かいことをここで話し始めちゃうともう本題に全然いけないから、話し合った末にどうなったのかの結果が1つの動画になっているからそれをシェアします。

この動画、ワタリのオンライン・サロンのメンバーにしかシェアしていない。そして現在は完全に「お蔵入り動画」となっている貴重なものである!

もうこれから新しいことやる気まんまん!

アクトリーグを復活させるために、渡猛が一人でメンバーを集めていく。そのときの条件は「今までのアクトリーガーを起用しない」「渡猛の知っているインプロバイザーを起用しない」ということだった。

荒野に一人たち、新しく人材を発見していく。

そのための新しいライブをまずはやろう。そんな話だった。

急展開するたった1つの理由

新しい即興ライブの形を眞邊さんと模索する日々が続いた。

いろんなアイディアがでて、それらをまとめてひとまず稽古してみようとなった。

稽古の相手になってくれたのはアクトリーグで一緒になり、そて今回のゲストでもある木戸美歩さん。

久しぶりに即興をやる。

何度か試す。やる。考える。またやる。

繰り返していく。やると楽しい。楽しいが・・。

眞邊さんの顔が曇っていく。

稽古が終わる。

「ちょっともうちょっと話そう。ミーティングしよう」

そういう眞邊さんとワタリ、そしてお手伝いで参加してくていた青羽ひかりは桜台駅のマクドナルドに入った。

稽古してみて感じたことを眞邊さんは話す。

「芝居もうまい。安定している。即興もすごい。が、既視感が拭えない」

これが眞邊さんの感想だった。

良いんだけど、なんか知ってるし、やったことあるな・・という部分で気持ちが盛り上がっていかない。

ここで改めて2人でやる理由や意味みたいなことを話しあっていく。

「なんか・・もうちょっとで出てきそうなんだけどな」

なにをどうやったらそのもうちょっとが出てくるのか?検討もつかない時間が過ぎていった。

青羽ひかりは悩む2人を見つつ、とても絶妙な距離感でポテトを食べていた。

そこで。

なにがどうなってそうなったのか?いまいち記憶が曖昧なんだけど、気づいたらそこにいたシシ神のような感じで(どんな感じだ)急に

「そうだ。ゲキダンってのが良いよ」

と眞邊さんがいった。

「ゲキダンを立ち上げよう。そして世界最大2万人の劇団員をつくろう」

もうどんな文脈なのかさっぱりわからない。

しかし、この発想よ。それは悪ふざけや悪意がないと絶対に出てこないだろう。

かくして2人はそこから大いに盛り上がった。

作家である眞邊さんと即興俳優の渡猛。

それをつなぐ「ゲキダン」。

それを融合することができるアイディアがどんどん出た。
マクドナルドで盛り上がるおじさん2人の隣にいた青羽ひかり氏のポテトはとうになくなっていた。

「これだね」
「これですね」
「ゲキダンワタリタケシだ」
「ゲキダンワタリタケシですね」

そこにどう着地したのはかもうまったく思い出せない。
でも2人が明らかに熱が上がっていた。
それがなにより大事だった。
あきらかに盛り上がったことが嬉しかった。

眞邊さんは「渡猛が出るんだから即興をやらないと」っていうこと邪魔していた。ワタリはワタリで「眞邊さんと即興・・?」に違和感があった。でも作家の眞邊さんと徹底的に遊ぶ企画なんだって考えたらすっきりした。

「やらねば」が外れると素敵にバランスが取れることを知った。

ゲキダンワタリタケシが走り出した。が、しかし決定的な弱点が見つかった

決まってからは早かった。

「とにかくまずはwebを立ち上げよう。あとはSNSだ」

SNSは簡単。(YouTubeとTwitterをメインにした)

webはワタリがwixを使って自作した。(成長した)

「それができたら、すぐに発表だ!」

ということで生まれたのか動画第一弾!

長い。YouTubeで見やすい長さを一切無視。

とにかく良くしゃべる2人。そして2人とも関西出身だからか。
テンポが似ている。ゆえにつっかかりがない。
だから長くなる。大阪のおばちゃん状態。(つまり無双)

ここで話ししている内容をまとめると、

「ゲキダンワタリタケシ立ち上げたよ」
「劇団員数2万人目指すよ」
「アラビアンメタルバンド『ミラス』はすごいよ」

の3点です。

普通に話せば2分ほどで終わる内容を42分喋ってます。
この無駄。いや、会話の妙。

そこからどんどんと動画を出していきます。

そして、出すたびにどんどんやさぐれていきますw

2回目の動画です。
なんと32分喋っています。
一番良いたいことは

「旗揚げ公演う8月あたりにやろうと思っているよ」

3秒で終わる話を32分です。

あとは「初回の動画が53回しか再生されていないぞ」ということと、いかに我々が人気がないかの話を延々としていますw

そう。眞邊明人と渡猛の弱点。SNSに異常に弱い。

そして3回目の動画。ここで伝説が生まれます。

タイトル通りです。ワタリがどれほどにチキンかはっきりと分かる。ワタリにとって黒歴史的動画です。(だから絶対に見てほしい)

これを幻の動画として、後日改めて撮った動画がこちら。

公演日程と場所を発表することができました。

そして次の動画

ここでとうとう共演者の発表。そしてあまりにも集客できずに焦りまくった眞邊さんがシークレットゲストも発表!2人の危機感を味わえる動画となっております。

そこから少し月日は流れて出た新作動画がこちら。

シークレットゲストだった皆(タイソン大屋、木戸美歩、小原正大、青山ほこ、青羽ひかり)が集結して全力で宣伝している様子を360°でみることができます。

とくに4:46あたりの眞邊さんの「ドキドキしちゃう」というところが本当に本心から出てる感じがします。見てね。

そしてゲキダンワタリタケシが生まれたマクドナルドで一緒にいた青羽ひかりの巻き込まれ具合もみてね。

なんやかんや書いてるけど一番良いたいこと

本番まであと5日。
1月末からはじまった珍道中が1つの結果として出ようとしている。
「あなたのココロにラマダンを」の内容に関してはベールに包まれている。
なかなか伝えることが難しいのは即興と同じ。
だからこそプロセスを知ってほしかった。
そしてそれ以上に知ってほしいことがある。

それは眞邊さんの動機についてだ。

なぜ
「アクトリーグを継いでくれよ」
だったり
「ゲキダンワタリタケシをやろうよ」
だったと関わってくれるのか?

眞邊さんは著書「もしも徳川家康が総理大臣になったら」がベストセラーになり、現在ものすごい忙しい人。

その眞邊さんが最初のMTGから言ってくれているのは

「ワタリくん、君はもっといけるよ。売れないとダメだよ」
「俺は君が好きだし話してて楽しいからな。やろうよ」

そんな想い1つで関わってくれている。
いままでの動画も。稽古も。アイディアも。アクトリーグも。
その想いから動いてくれている。

自分のやっていることや、自分の能力や努力にたいして、こんな言葉をかけてくれる人がいる。それだけでなく時間とエネルギーをつかって一緒に楽しいことを企ててくれる。

それがどれだけチカラや勇気になるのか。どんなに有り難いことなのか。

8月14日(日)。
どんな未来が待っているのかわからない。
でもどうあってもとにかくワタリは一生懸命やる。全力で。

アクトリーグから12年。また相まみえる縁となった眞邊明人さんという人とおもいっきり悪ふざけする。

ゲキダンワタリタケシはそんな2人の関係をもエンタメにした作品となっています。

そんな2人なんだと思ってまた動画を見てみてください。
やさぐれているおじさん2人にしか見えなかったのが、いい感じのドキュメンタリーに変わりますから!

さぁ、残り5日。

どうか観に来てください。とにかくワタリは全身全霊で臨みます。たった1回限りのラマダンです。

以下、詳細。

ゲキダンワタリタケシ旗揚げ公演「あなたのココロにラマダンを」

日時:8月14日(日)13:30 オープン/14:00 スタート
料金:3,000円
場所:JOYJOY STATION(桜台駅徒歩3分)
演出:ゆうしゃ
主演:渡猛
シークレットゲスト:木戸美歩、タイソン大屋、小原正広、青山ほこ、青葉ひかり

ABOUTこの記事をかいた人

即興遊戯者/インプロバイザー・渡猛(Takehi Watari) 奄美大島生まれ兵庫県育ち。 即興芝居×即興コメディ=即興エンターテイメント集団「ロクディム」共同主宰。 即興で演じ、歌い、踊る1人芝居ライブ「ヒトリワタリ」を全国展開中。 ブロードウェイで最もロングランした1人芝居「Defending The Caveman」を初アジアバージョンとしてハリウッドキャスティングディレクター奈良橋陽子監修のもと、2年間公演を行い好評を得る。 即興(インプロ)ワークショップ「ワタリーショップ」を都内で定期開催。 大学や企業でも即興ワークショップを通して「この瞬間を目一杯感じて、自分を愛し、無我夢中に遊びあい、交ざりあい、笑いあう人間関係を育む場」を提供している。 京都精華大学非常勤講師。