命ある限り

ロクディムと:Dがクロコダイルでライブをするとなってから、何度も何度もクロコダイルに足を運んでいる。
今日もそうだった。
いつもと違うのは、ワタリ一人がオーナーの西さんと話すんじゃなく小田篤史、そしてスタッフで参加してくれるウララも同席してること。
今日は制作的なことを相談にきた。
それは「飲み物をグラスで提供することについて」だった。
コロナでなければ絶対にしないような相談。
クロコダイルはライブハウスである同時に飲食店でもある。

ワタリたちがライブをやっていたころ。お客さんは飲み食いをしながら僕らのコメディを観るっていう環境だった。笑って飲んで食べて笑って。その空間が大好きだった。
またライブ終わりに食べるバンドチャーハン(出演者が食べられるやつ)が最高に美味しかった。いまはそれがとっても難しい時代になった。

クロコダイルでやるってなったときに、速攻でフードの提供はなし。飲み物だけにしてもらった。しかし今回、その飲み物にたいしても相談させてもらうことにした。いくつかのアイデアを出してみることに。
それをお願いすることじたいがもうなんていうんだろう?
「だったら最初からクロコダイルでやるなんて言うなよ」
って世界に感じてしまうほどのものだって思ってしまう。
でも来てくれるお客さんが安心して笑える環境をどうつくるのか?しかもこの時代に。
そう考えると、今までやってきたことのこだわりを捨てて、改めて新しく一緒にライブをつくっていくという意識にたって、あくまで「相談が可能かどうか?」ということで話をしにいこう。

そういう流れがあって今日。西さんと話をする。誤解がないように失礼にならないようにアツシが話をしていく。西さんはうんうんと頷きながら聞いたあと「いいよ」とOKにしてくれた。そのあとに「なにより開催できるかどうか?が大事なんだから」と言ってくれた。それだけでなく「もうギリギリまでどうなるかわからないしね。だから今回がたとえダメだとしてもね。生きていればね。関係がなくなるわけじゃない。どっちかがおっ死んじゃったらそれで終わりだけどさ。生きていればさ。またやれるから」東京で感染者が急増し、またライブのキャンセルが相次いでいるというなか、これを言えるって凄いことだとおもう。
ロックのライブに酒がない。コメディライブに飲食がない。そのとんでもない味気なさを知っている。でもそれよりも中身。そして中身と同じく命が大事。命があればまたやれるから。
もちろんこれは今まで何年もクロコダイルと一緒にライブをやってきた「関係」があるからこそだと思う。それにしても、だ。
絶対に忘れたくない瞬間だとおもった。

挨拶をして別れ間際。西さんに「:Dも悔しさいっぱいで涙涙でした」と伝える。うんうんと頷いて西さんは聞いてくれた。

帰りながら、言われた言葉がじわりと心に沁み込んできて呼吸が荒くなった。目を閉じて感謝を噛みしめる。

開催するのかしないのか?たくさんの考え方があって、たくさん考えることがあって、なにが正解かぜんぜんわからない。でも諦めずいろんな意見を紡ぎながら、ロクディムとして答えを出していこう。命ある限り。

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ABOUTこの記事をかいた人

即興遊戯者/インプロバイザー・渡猛(Takehi Watari) 奄美大島生まれ兵庫県育ち。 即興芝居×即興コメディ=即興エンターテイメント集団「ロクディム」共同主宰。 即興で演じ、歌い、踊る1人芝居ライブ「ヒトリワタリ」を全国展開中。 ブロードウェイで最もロングランした1人芝居「Defending The Caveman」を初アジアバージョンとしてハリウッドキャスティングディレクター奈良橋陽子監修のもと、2年間公演を行い好評を得る。 即興(インプロ)ワークショップ「ワタリーショップ」を都内で定期開催。 大学や企業でも即興ワークショップを通して「この瞬間を目一杯感じて、自分を愛し、無我夢中に遊びあい、交ざりあい、笑いあう人間関係を育む場」を提供している。 京都精華大学非常勤講師。