マジックポイントをあげあう関係

先日、ロクディムのライブをよく観に来てくれるお客さんと電話で話す機会があった。
まだコロナの前、浅草の東洋館でやっていたライブではお酒を飲みながら笑っている姿が印象的だった。その後は一度ワタリのワークショップにも参加してくれている。
そんな彼女は医療従事者。

「いま大変だよね」と心配するワタリに「皆、そう言ってくれるんだけど、こっちとしては今までも変わらずなんですけどね」という。
それはこっちのもつイメージと現場での感覚(ここではあくまで彼女の感覚だけど)にはあたり前にギャップがあるんだなと感じる。

そんな彼女がロクディムの話をしてくれた。
「HPは寝れば休めば回復するけど、MPは回復しないんです。MPは誰かに対して魔法をかけることができる力。それが回復しないと誰かにエネルギーを与えることができなくなるんです。でもロクディムを見たら復活するんです。ライブを見たらとっても幸せな気持ちになる。明日から頑張ろうって思える。私ね、2020年は自分の好きな人しか会わないって決めたんです。で、最初に浮かんだのがロクディムなんです。だから2020年はロクディムの全ての公演、地方も含めて行くつもりだったの。でもコロナが来てできなくなってしまった。また観に行きたいです。ライブやってほしいです。だから続けてくださいね。ワークショップもやってみて自分に向いてないと思ったけど、すごく自分に向き合うことになったからまた行きたいと思ってます」

その時も「ありがとう!めっちゃ嬉しいわぁ!」と答えたんだけど、電話を切ったあとになんだかたまらなくなった。身体がじんじんした。胸の奥のほうからやってくる感謝と喜びの波。あぁ、これがMPが回復する感覚なんだなと実感する。

頑張ろう。どうなるかわからない時代だけど、こうやって皆でMPを与えあえるような関わりを増やそう。だからロクディムは、ワタリは、ライブをやることを止めない。ときには中止とか延期もあるだろう。今までのスタイルができなくなるかもしれない。でも諦めない。

どう変わっても「あぁ楽しかった!」「今日はよく眠れそうだ」「明日から頑張ろう」「幸せだ〜」なんて瞬間を作り続けていこう。

そんなことを思える素敵な電話だった。

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ABOUTこの記事をかいた人

即興遊戯者/インプロバイザー・渡猛(Takehi Watari) 奄美大島生まれ兵庫県育ち。 即興芝居×即興コメディ=即興エンターテイメント集団「ロクディム」共同主宰。 即興で演じ、歌い、踊る1人芝居ライブ「ヒトリワタリ」を全国展開中。 ブロードウェイで最もロングランした1人芝居「Defending The Caveman」を初アジアバージョンとしてハリウッドキャスティングディレクター奈良橋陽子監修のもと、2年間公演を行い好評を得る。 即興(インプロ)ワークショップ「ワタリーショップ」を都内で定期開催。 大学や企業でも即興ワークショップを通して「この瞬間を目一杯感じて、自分を愛し、無我夢中に遊びあい、交ざりあい、笑いあう人間関係を育む場」を提供している。 京都精華大学非常勤講師。