【映画感想記】「アデライン、100年目の恋」を観て思い出したハイセンスキッズ。

「アデライン、100年目の恋」という映画を観た。

ここからは内容を含んだ記事になります。いかなる理由があろうともネタバレは罪!という方は華麗なるスルーを!

30歳弱の若さから歳を取らない身体をもったアデラインという美しい女性の話。

自分の身体の異常を知られてしまうと政府に捉えられ実験されてしまう恐怖から10年周期で引っ越しして名前も変えて生きるようになる。
最愛の人と一緒に歳を取っていくという経験ができない悲しさや切なさがテーマとしてあると思うんだけど、その辛さをえがいてるシーンがそこまでなく、それよりもアデラインが美しいし100年以上生きているから知恵がとんでもない。ゆえに「歳をとるっていいよね〜!」というよりも「あの若さでずっといられるってええやんか!」という印象が強くなってしまっているw
ラストシーンで、歳を取る身体に戻ったアデラインが、自分の白髪を発見して「完璧」っていうんだけど、直前まで「うわー!嫌だー!」っていうかもしれない顔もしてたんだよなぁ。このあと歳をとっていってどんどん身体が動かなくなっていくことが「やだなぁ」ってのもあるのかもしれない。なんて邪推。ワタリ的には歳をとるって面白いって思ってる。今の段階では※現在42歳後厄。

そんな感想もあるんだけど、この映画の1番は会話の妙。アデラインも長生きしてるから、会話の返しがオシャレ。おしゃんなのである。

新しい彼氏の妹に「もう(兄と)やったの?」といういたずらな質問にたいして「ええちょうど10分前にそこのあなたが座っているシートで」とクールに返す。おしゃん。

恋人との出逢いのシーン。
アデラインがそそくさとパーティーを去り、タクシーを待っていると、彼(イケメン)が「一緒にタクシーがくるまで待つよ」と言います。彼女が「住所を知る為に?」と返す。それに「花を贈りたいからね」と返すイケメン。おしゃん。

再び事故にあったアデライン。病院から連絡がきて、慌てて駆けつけたアデラインの娘。娘はもうおばあゃちんになっている。
娘が彼(イケメン)に、「どうも、アデラインの祖母です」と嘘の自己紹介をする。しかしアデラインも彼も様子が変。娘が「え・・なに?」とアデラインに聞く。アデラインが「話したの」という。
この「話したの」というだけで終わらせるおしゃんぶり。
そのセリフもいいんだけど、その時の娘の表情が秀逸だった。
その表情一発で、ずっと嘘を付き続けてきたのは娘もなんだよなっていうのと、母にまた愛する人ができたということが本当に嬉しいんだなというのが伝わってくる。

と、要所要所でおしゃんがある。
で、この会話のおしゃんってどういうことなんだろう?と考えた。
相手が言ったことをちゃんと使っていってるんだよね。そのあたりがおしゃん。これは即興にも、良い役者の返しにも通じる。

このおしゃんの会話で思い出したことがある

ワタリが20歳の時、このおしゃんの会話をする人たちがいた。
ロクディムのもう1人の主宰カタヨセヒロシ。そしてワタリたちに即興を教えてくれた今井純さんだ。
この2人の会話はワタリ的にとってもおしゃんだった。だからワタリは2人のことを「ハイセンスキッズ」というまったくハイセンスじゃないコンビ名をつけていた。
よく3人で一緒に遊んでいたんだけど、当時は何言っているのか、なんでそこで笑っているのか1ミリもわからなくて悔しかったのを覚えている。※一度悔しすぎて大阪のミスタードーナツで泣いたことがある。
いったいどういうからくりでその会話が成り立っているのか、わかりやすいボケとツッコミの世界で生きていたワタリにはまったくわからなかった。だから、とにかく観察した。しつこく「教えて」と食い下がった。(※しかし、ハイセンスキッズはなかなか教えてくれない。教えることはハイセンスじゃないからだ)
観察し研究するといろいろわかってくることがあった。相手の裏を読むことだったり、相手が言ったことをちゃんと覚えていて、時間がたったときに絶妙なタイミングで同じセリフを使ったりしていた。その時の感覚をこの映画を観て思い出した。

映画自体のクオリティはわからないけど、たくさん感じることがあってワタリは観てよかった映画だった。

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ABOUTこの記事をかいた人

即興遊戯者/インプロバイザー・渡猛(Takehi Watari) 奄美大島生まれ兵庫県育ち。 即興芝居×即興コメディ=即興エンターテイメント集団「ロクディム」共同主宰。 即興で演じ、歌い、踊る1人芝居ライブ「ヒトリワタリ」を全国展開中。 ブロードウェイで最もロングランした1人芝居「Defending The Caveman」を初アジアバージョンとしてハリウッドキャスティングディレクター奈良橋陽子監修のもと、2年間公演を行い好評を得る。 即興(インプロ)ワークショップ「ワタリーショップ」を都内で定期開催。 大学や企業でも即興ワークショップを通して「この瞬間を目一杯感じて、自分を愛し、無我夢中に遊びあい、交ざりあい、笑いあう人間関係を育む場」を提供している。 京都精華大学非常勤講師。