【インプロW.Sブログ】YES,ANDっていうのは

即興芝居で「相手の言ってることやっていることを受け入れる」ということがあるんだけど、どうにもここらへんがうまく伝わっていかない。

自分の想定内であればそれはすんなりと「はい。いいね!」と入れることができる。

だけど、だいたいは想定外がきたりする。

だって、全然感性が違うんだから。それぞれの「当たり前」が違うんだから。だから想定外がくるのは想定内っていうことなんだけど。なぜか「わかって当然」「わからないと駄目」というようになってしまう。

皆、仲良し。とか、皆と同じ。っていう教育的ななにかのせいなのか。そういうのもあいまってどうにも「相手の言っていることを受け入れられないとダメ」というふうになってしまいやすい。

そうなると何が起きるかというと、「自分を犠牲にして相手に合わせる」ということになる。

それがまかり通ると、即興の「相手を受け入れる」っていうのは「自分を犠牲にしてでも他者の言っていることを大事する」ということになっていく。

それで良い芝居ができるのか?できるはずがない。

自分を誤魔化して偽って「YES」ということに何の意味があるのか?どういう成長があるのか?

「YES, AND」っていう言葉があって、それがとっても広がっているが、

このそもそもの部分。自分にたいして「YES」と言っていないところを見ていかなければ、評価や失敗を怖がっているまま、上辺だけで「はい〜いいですね」と言っているペラペラにプレイヤーにしかならない。

「YES,ANDできない=ダメなプレイヤー」とか「YESと言えない=相手のためにならない!だから自分は我慢する。犠牲になる」とか、そんなダメな自分を見たくない!ってことで見ないようにする。結果、必死に取り繕う。

でもお客さんはバカじゃない。失敗を恐れている、ビクビクしている、取り繕っているなどはだいたい透けて見える。

ただ、透けてみえることが結果、「怖がっているけど、頑張っている!応援しよう!」っていう部分で盛り上がっているやつもあるかもしれないけど。

ただ、わざわざ「お前、透けてみえるよ。バレバレだよ」なんて言ってくれる人もそんなにいない。

そうなると、見ないようにしているプレイヤーが自分の恐れを見ないままやっていく。

そしてなんとなく成立してるっていう気持ちになる。

そうなって、嘘くささが加速する。

もちろん、当人がどのレベルまでやりたいか?っていうことが大事だから「嘘くさくても結構。これで良し」というのもあり。むしろそこまで開き直ったら、嘘くさくはないw

ペラペラじゃ嫌だってなった場合、相手のいっていることを受け入れるために、「受け入れられない自分」を見ていくことがとっても大事なんだ。

そうすることで、自分の器や枠というものが見えてくるから。

そしてその自分を「ダメ!」とするんではなく許すということ。

許すっていうのは「あ〜やっちゃった〜!」と自分を笑えること。

いびつでポンコツで可愛い自分。得意不得意あって当然。その唯一無二の自分と共に生きていくこと。

その自分にたいしての豊かさや穏やかさや愛情があって、初めて相手のことに触れることができる。

評価や失敗に囚われていたら、自分を成立させることで必死になって、相手のことは見えてこない。

「相手を受け入れる」前に自分を受け入れる。自分に応えてあげる。

相手を受け入れる「前に」って言ったけど、もしかしたら自分を受け入れていたら相手も自然に受け入れるようにも思う。自分を守る必要がなくなるから。

この「受け入れる」っていう言葉の響きがなんか優しげで語弊があるのかな。

「向き合う」とか「見つめる」とか「徹底的にやってやる」とかが良いのかな?

とにかく、誤魔化さず、偽らず、自分に応えてやる。

そのために、誤魔化したり、偽ったりしている自分を見て許していく。

それは勇気と覚悟と愛が必要だ。

そういうことを伝えること、またそれが体験できる環境をどうやって提供できるのか?をもっと考えないとだ。

まだまだ下手だなぁということがわかって有り難い時間。

ワタリーショップは自分にとっても大切な発見の場。

というようなことを参加者とあーだこーだして脳にも身体にも汗かいてやっています。

演劇経験なくても問題ないです。

人と関わる興味と、ちょっとの勇気があれば大丈夫です。

気楽に参加ください。


ワタリ
ワタリのワークショップ「ワタリーショップ」は都内で定期開催。
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ABOUTこの記事をかいた人

即興遊戯者/インプロバイザー・渡猛(Takehi Watari) 奄美大島生まれ兵庫県育ち。 即興芝居×即興コメディ=即興エンターテイメント集団「ロクディム」共同主宰。 即興で演じ、歌い、踊る1人芝居ライブ「ヒトリワタリ」を全国展開中。 ブロードウェイで最もロングランした1人芝居「Defending The Caveman」を初アジアバージョンとしてハリウッドキャスティングディレクター奈良橋陽子監修のもと、2年間公演を行い好評を得る。 即興(インプロ)ワークショップ「ワタリーショップ」を都内で定期開催。 大学や企業でも即興ワークショップを通して「この瞬間を目一杯感じて、自分を愛し、無我夢中に遊びあい、交ざりあい、笑いあう人間関係を育む場」を提供している。 京都精華大学非常勤講師。