20190308(金)
この日も、とある企業の撮影。
朝イチ移動。
ラッシュにのまれながらの、移動。
これが毎日の環境で仕事している人は、どういうマインドでこの満員電車を乗り越えているんだろう?
ある時、全然苦にならない状態になるのかな?
「委ねればいいのです」
なんて、この環境で悟ったりするんかな?
でも、脱力されて困る人もいるからな。教えてほしい。教えてほぢいいいいい〜!!
なんて圧迫されながら目的地の駅へ。
撮影は朝イチから、本域の声量で臨むものだった。
決して強くはないワタリの声帯と相談しながらやっていく。
声帯くんもじょじょに起き始めて、すぐにどんどん出していけた。
カメラマンさんの「ジム·キャリーみたいだ」という言葉でより頑張れる。
お昼ご飯どき。
40年照明をやっている方の話しが興味深い。
照明さんのステイタスの高さ。そこからくる陰湿さの話。
活かすも殺すも照明さん次第ということを知っている有名女優さんの関わり方。
そんな昔話に花が咲いた。
撮影開始。引き続き本気。
18時くらいになり、ここでの撮影は終了。
車にのって次の現場へ。
到着するも機材セッティングがあるため、
車内で新しく入ったスタイリストさんとしばらく待機。
このときに、疲労がくる。
なんとか気持ちをあげたい。
またスタイリストさんとも、円滑にコミュニケーションを取りたい。
ここが大事だ。大事なんだ。
新しく入ってきたスタイリストさんは「タケ」という名の女性だった。
そこでワタリは
「タケっていうのは名字の一部ですよね?じゃあ名字、全部当てまーす!」
という「自分からクイズを出すお茶目さんモード」で関わる。
思えばここでもうおかしかったんだ。
疲れからか?
はたまた「ジム・キャリー」なんて言われて調子にのったからか?
その・・両方だ。
この自分から出したクイズが
全然
当たらない。
「タケ・・・タケ・・武田!?」
「違います」
「んん〜タケ・・・竹林!」
「違いますね」
「ひゃ〜なんだろ・・タケですもんね〜ええ〜?」
頭が回っていない。びっくりするくらい自分でも全然出てこない。
すでにもう答えるにしろ答えないにしろ、終わっていい時間になっている。
でも、終わらせることもできない。
当てないと!なんて真面目な精神状態に。遊びココロはどこにいったのか?
「ヒント!ヒントを!」
「え〜とですね、芸人さんでいます」
「え?!芸人でタケ・・?竹山!」
「違います」
「ぬぬ」
「女優さんでもいます」
「ええ〜〜〜!」
もうこの頃になるとリアクションするだけで精一杯になっている。
ワタリが本気で考えてしまうととたんに「闇」みたいな空気になる。そんな予感がしている。そんなことないのに。もう末期である。
「く〜!なんだろ??なんだろね〜へへへ!」
誤魔化し笑いも空を切る。
スタイリストさんも気をつかって
「もう1つのヒントは『お』が入ります」
「タケ・・お?え?たけお!?」
車内にとてつもなくスベってる空気が流れている。
最初は気付いていなかったり、または途中から気づかないフリをしていたけど、
スベっている濃度がどんどん濃くなって
もう誰から見てもスベってるという色に染まっている。
その空気が充満し、相手の顔が見えなくなるころ。
「すいません。わかりません」
ワタリの口からそんなセリフが出ていた。
「大竹です」
お
お
た
け
完全に
負けた。
今年1番スベった春。
そんな言葉が脳裏に浮かんだ。
自分から「あそこにいこうよ!」なんて巻き込んでおいて、捻挫して断念するみたいな。そんな恥ずかしさ。
「ワタリさん、出番です!あれ?!」
まっ白に燃え尽きたワタリが静かに後部座席に座っている。
気持ち的にはそんな心境。
ただ、眠気は完全に覚めました。
撮影開始。
太陽が沈み一気に気温が下がった中、撮影をガシガシやっていく。
トータルで12時間撮影。
やりきった感で終わる。
また明日も同じ時間から撮影。
この有無を言わせない感じが良い。
そして、もう二度と「大竹」を忘れない。
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