「愛の道・ベレー道」という動画コンテンツをロクディムから出してるんですね。
ベレー帽をかぶった2人がやり取りして、スキがあったら相手のベレーを取るというもの。
単純なルールなんですが、これが実に奥深いんです。
即興の芝居の大切な要素として
「この瞬間に相手と共にいる」
というのがあります。
「こうしよう」
「こんな面白いことを言ってやろう」
「次どうするかな?」
などど、考えていたら相手と共にいることはできない。
ベレー道は、それに気付いていくための即興のゲーム「ハットゲーム」をアレンジしたもの。
その昔、インプロの創造者キース・ジョンストンのワークショップを受けた時にこの「ハットゲーム」の話しをしてくれた。
世界中でワークショップをしているキース。
このハットゲームを禅僧の人たちに紹介したことがあったという。
そしたら禅僧の方々が「これは禅を教えている。まさか即興のコメディの人に教えてもらえるとは思わなかった」
と語ったという。
で、ワタリも本当にその通りだ!って思ったんです。
だから昔は、自身のワークショップでもときおりやっていたりしたんだけど、この「ハットゲーム」の奥深さを伝えることが、なかなか難しかった。
だいたいにおいて「運動能力の高い、取られたくない人が勝ってしまうゲーム」になりやすい。
そういう人が勝ってもなんか全体が盛り上がらない。
そしてその人はあんまり好かれない。
本当にこういうことなのか?こんなゲームをキースが考案するのか?
いや違うだろうと。
もっと、スピードの世界でなく、勝ち負けでなく、スピードも勝ち負けも笑えるような。
武道でいうと、勝つ負けるに重きを置くのでなく「合気道」のようなイメージ。
そんなハットゲームのアレンジ版「ベレー道」をロクディムのカタヨセヒロシ氏が考案し、始まった。
実際にやってみるとですね。
実に興味深い。
システムとして「勝負」になっているからこそ、露わになるメンバーの普段見ない顔。
ワタリも、負けるとね、出ちゃうんですよ。負けん気が。
「勝ちたい!」っていう欲が。
また対戦する相手によって、その気持ちが変化するのも面白いんですね。
りょーちんには「負けたくない!」ってなって
カタヨセヒロシには「勝ちたくない!」ってなるという。
そんなふうになる自分がとっても興味深い。
一度、りょーちんに取られた時は
真剣に
落ち込むんですねw
そして、すんごい言い訳が出てくるんです。
そもそも反射神経としてやってないか?とか、
ルールとして殺気がなさすぎるから意味がないんではないか?とか、
なんかあんまり皆も良い側面が出ないからやらないほうが良いのでは?とか。
一瞬でそんな考えが出てくるんです。
でも、それは「負けず嫌いな自分」との久しぶりの再会だったりして、それがどうにも面白いなと。(そう思えるのに1日かかりましたが)
このゲームの根本はなんなのか?
それはもうタイトルに出ていると。
「愛の道」
そう、これは愛の道。
闘いじゃないんです。
それを闘いの中でやる。だから面白い。
相手と対立するんでなく相和して、瞬発力勝負でなく、相手を夢中にさせあっている中で遊ぶ。
本気でやって、でも負けることも心から楽しんでいる。
野口体操というのをやっていた時のワタリの好きな言葉
「負けて参って任せて待つ」
とも通ずるような。
そんな「愛の道・ベレー道」
今だいぶん闘いが進んでいます。
是非一度見てみてください。どれも4〜5分です!
まだまだなワタリやロクディムが見れますw
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