映像の現場で思うこと。そして、本番直前で起きた事件。

20190306(水)

この日は、とある企業の商品紹介動画の撮影。

ワタリは俳優として出演。

品川駅から京急に乗り換えて2つ目の駅のスタジオへ。

スタジオにいくとスタッフの方が速攻でお弁当をくれた。

こういこともある。

到着して、即お弁当。

「現場めがけてご飯食べにきた族(やから)みたいだな〜」なんて思いながら、美味しく食べるあたりが、ワタリ。

食べて満腹。

メイク室へ。

子役の女の子とお母さんがいた。

女の子がはっきりとした声で

「○○(事務所の名前)の△△(名前)です。6歳です」

と挨拶してくれた。

「渡猛です。40歳です」

と返事した。うけなかった。

役者は待つのが仕事。なんて良く言われることだけど、撮影の現場は本当にそうだ。

14時に入って、香盤表だとワタリの出番は1530から。でも実際は18時過ぎから始まった。

ワタリの番の前にヒゲの相談があった。

監督は上のヒゲはどうしても剃ってほしいようだった。

そもそもあんまりヒゲ剃りたくないワタリは

「剃っても良いんですけど、生まれたての蛇みたいになりますよ」

「沼に落ちたカバみたいな感じになりますよ」

どちらも見たことないけど、そういうイメージをお伝えする。

でもダメだった。監督のほうがうわてだった。

ということで、上のヒゲ剃って保湿してメイクさんにモミアゲの部分をトリミングしてもらって髪の毛もセットしてもらう。

いよいよ撮影!

その前にケータリングで出ていた生チョコ(ピーナッツ入り)を食べる。

糖分だいじ!ガリッ!ん?なに?

生チョコなのに

ガリッ!だと・・?

ピーナッツが入ってるって書いてあったな、しかし固い。噛み砕こうとするも全然噛めない。

おかしいと思って出してみて震える。

・・・歯!

それはワタリの歯の欠片だった。

生チョコに負けた・・・。

いや、だいぶん劣化していた差し歯のやつだ。

しかし、なんてこったなんで本番直前に?

今まで散々時間あったのに!歯も本番と思って出てきたのか?そうか、歯まで役者か。やるじゃないか。

なんて考えてる時間もない。

鏡で確認。

奥歯だったため、全然見た目に分からない。よしっ。

ヒゲなし、歯もなしで臨む。

歯がなくなったことは知らない監督やスタッフの皆さんは「男前だね~」という声が。

もうそれだけで、充分。一瞬で調子にのる。

撮影開始。

3行くらいのセリフが本番直前にカンペで渡される。

それを即座に記憶し、本番。

ここらへんの緊張感が嫌いじゃない自分がいる。

もしくは、そういうのを面白がったり、楽しみがったり(新しい日本語?)する力がついたのかもしれない。

撮影は順調に進む。

あっという間に半分撮って折り返す。

その時

下の階からカラオケが流れてきた。

いい流れで撮っていたが、時間が押したため、下のお店の営業時間が始まってしまった。

カラオケの

音が入ってしまう・・。

スタジオ内に気持ち良い歌声が聞こえてくる。

どうするのか?カラオケとカラオケの間の一瞬で撮っていくのか?

最悪、もう今日は中止っていうこともありえる。

なんてワタリは思う。

監督「・・・どう?」

と、音声さんに聞く。

さっと音声さんがヘッドホンで確認したり、色々調整しはじめる。

すると、

「いや、大丈夫です。ワタリさんの声、大きいんで、いけます」と音声さん。

こういうときの職人さんの声がどれだけ現場を鼓舞していくのか。

職人さんって格好いいな〜としびれながら、撮影続行。無事おわる。

沼に落ちたカバ・ワタリも悪くない。そう思えた日。

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ワタリのワークショップ「ワタリーショップ」は都内で定期開催。
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ABOUTこの記事をかいた人

即興遊戯者/インプロバイザー・渡猛(Takehi Watari) 奄美大島生まれ兵庫県育ち。 即興芝居×即興コメディ=即興エンターテイメント集団「ロクディム」共同主宰。 即興で演じ、歌い、踊る1人芝居ライブ「ヒトリワタリ」を全国展開中。 ブロードウェイで最もロングランした1人芝居「Defending The Caveman」を初アジアバージョンとしてハリウッドキャスティングディレクター奈良橋陽子監修のもと、2年間公演を行い好評を得る。 即興(インプロ)ワークショップ「ワタリーショップ」を都内で定期開催。 大学や企業でも即興ワークショップを通して「この瞬間を目一杯感じて、自分を愛し、無我夢中に遊びあい、交ざりあい、笑いあう人間関係を育む場」を提供している。 京都精華大学非常勤講師。