即興の「生感」が、脚本舞台と融合した瞬間。

香川での舞台公演「Chample」終演いたしました。

今回、ワタリはオムニバスの間をMCで繋ぎ、ダンスで繋ぎ、作品の1つに俳優として参加しました。
それもきっちり決まっているのは4つのセリフのみ。あと、電話をするシーンが3回あるのだけど、そこは言わないといけないキーワードはあれど、やりとりは100%即興。

決まった話の中、即興で演じるのは実は難しい。稽古をすればするほど新鮮味がなくなり脚本があるものよりも変な慣れが生まれてしまう。どこまで稽古して、どこまでやらないのか?のサジ加減が大事だったりする。

稽古でも本番でも毎回違うことをやるよう心がける。

幸い、受けてくれる女優さんが素晴らしくて、毎回ちゃんと傷ついてくれた(キャバクラで働いている彼女に電話をかけ、かなり高圧的な態度で責め立てる彼氏の役だった)。

即興だから適当に話して良いわけではない。だったら考え抜かれた脚本の方が良いに決まっている。

即興の極めて「生」な空気を持ち込みつつ、シーンとしてたどり着きたいところに行く。セリフも影響のある生きたセリフを自分の感情や葛藤とリンクさせながら言う。

完全即興よりもバランスが必要となる感覚。ワタリにとってもチャレンジでした。

千秋楽は共演者との信頼関係も構築できた感覚もあり、よりリスクを負ってチャレンジした。

動きが変わるほどの影響あるセリフを投げかけてみた。彼女の動揺は役とリンクし、張り詰めた空気が劇場を包んだ。その生感をやりながら感じることができたのは、幸せなことだった。

その日の舞台に、共演者の女優さんのパートナーが観に来ていたらしい。後日その女優さんに彼の感想を聞かせてもらった。

「僕の精神状態が不安定だったら、舞台に飛び込んで止めさせたかもしれない」と言っていたそうだ。

彼の気持ちを考えれば考えるほど申し訳なくなるのだけど、それはとても褒め言葉だなぁと、有り難いなぁと思った。

作品の中に即興を入れるチャレンジをし、そこで自由にやらせてもらった仙石桂子氏に感謝です。

即興コメディではやらない役どころ。そこを即興でチャレンジできたこと。また脚本家としての脳の部分をかなり使いながら、そこに支配されずに感情や衝動で動けたこと。とてもキツい役を愛情もって演じることができたこと。ワタリにとって大きな経験でした。

また素敵な女優さんとの共演や、他の才能ある人達と一緒にやれたことが嬉しい。

彼女たちの今後の期待が高まるし、いつかまた共演できる状態でいたいと思った。

ありがとう。

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