20190119(土)
この公演ではワタリが開演前に舞台裏からマイクで前説をする役割があった。
主宰のマサさんの意向だった。なんか少し楽しい時間になったらっていうことだった。
で、2ステージ目から、マサさんの作品に出ているダンサー・辻本さんが、ワタリの影ナレ中に必ずなにかしてくるという流れができた。喋っているワタリの口に「何か」を入れてくるのだ。
チータラ(お酒のつまみのやつね)を束で入れてくることもあれば、せんべえをゴリゴリっと入れてきたこともあった。ワタリはそれを使いながらまた前説に戻る。
「うまいな~ちゃんと成立させるねんもんな~」と関心していた。
ワタリは何の躊躇もなく人の口に何かを入れてくる辻本さんのほうがすげえなと思っていたけどね。
でもそういうことをやってくるって「面白がって」いるにほかならない。
「こういうことをやってもきっと大丈夫」という関係でないとまず無理。
そういう関係ができたのは、ゲネをやっているときにワタリのパフォーマンスを見て「え?あれも即興?」と興味を持ってきたときからだったと感じた。光栄なことだと思う。
違う畑でもパフォーマンスを見て、言葉にならない会話をしたり、繋がれることがたくさんある。そこには間違いなく尊敬というものがある。
今回は身体のスペシャリストの祭典。また「詩」も「歌」もあって幅が広く、また繋がって嬉しい人達ばかりだった。
熊谷拓明氏の作品に出るのは今回で2回目。
前回とはまた違った体験だった。
より話しをしてつくっていった感もあり、ワタリのパートはより「即興」でチャレンジしている感もあり。刺激的だった。
同じ年代で第一線で活躍している尊敬する表現者と密な時間をともにするのは本当に楽しい。
千秋楽の最後の最後まで「もっと何かできるんじゃないか?」と考える。
即興だからと言って、ただ、何も考えずに臨むんではなく、できる限りの準備はする。その上で手放す。そのパランスが完全即興よりも難しい。だからどこまで仕掛けを作るかは大事。どんだけやったとしてもいつも1/3くらいしか表現できないのはいつものこと。
とにかく悔いの無いようにやる。
最後のラッシュは全身が痺れるほど駆け抜けた。
比喩でなく実際に全身が痺れた。
楽屋で「それ気絶する直前の症状じゃないですか」と久世くん。
とにかくやりきったように思う。
終演後は、楽屋にお客さんを入れての打ち上げ。
「お客さんも入れて皆でやろう」主宰のマサさんが毎回言う。
人との繋がりを大事にする姿勢が本当に素敵だ。
楽屋打ち上げが終わり、劇場を出て居酒屋へ。
色んな人と話す。
共演者とも語らう。
朝まで。
「段差@踊場vol.2」が終わった。
関わってくださった出演者、スタッフの皆様、ご来場くださいました皆様、そして声をかけてくれた熊谷拓明氏。共演していつも楽しい時間をくれた久世くん、主宰のマサさん。
本当にありがとうございました!
この経験を個人やロクディムに還元していこう。
写真提供:大洞博靖
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